軌跡

―三浦春馬さん―

2018-08-16「銀魂2」インタビュー

2018年8月16日 livedoorNEWSの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

硬すぎると言われても、それが僕。自分の生き方を貫く、三浦春馬が見据える未来

熱烈な支持を受ける漫画であるほど、映像化の際に原作ファンの厳しい視線にさらされることになるのは必然。大人気漫画原作の作品が軒並み苦戦を強いられる中、昨年、見事に邦画実写映画No.1ヒットという称号を手にしたのが、空知英秋の人気漫画を実写化した『銀魂』である。

銀魂』の何が特別だったのか? そしてこの大ヒットを受けて制作された続編『銀魂2 掟は破るためにこそある』は、前作のような…いや、前作を超えるヒットを記録することができるのか?
ライブドアニュースではこの続編の鍵を握るキャストおよび制作陣にインタビューを敢行!

第4回は、真選組の参謀でありながら黒い野望を秘めた伊東鴨太郎を演じる三浦春馬福田雄一監督に「鴨太郎を演じられるのは、春馬しかない!」と言わしめた、彼の俳優としてのポテンシャルを探った。

自分では、鴨太郎の要素はまったくないと思っています

この続編で描かれるのは、原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」をベースにした物語。三浦が演じる「真選組動乱篇」のキーパーソン・伊東鴨太郎は、学問にも剣術の腕にも長けた男。クールだが、仕事を的確にこなし、真選組の局長・近藤 勲(中村勘九郎)も、全幅の信頼を置く存在だ。

――福田監督とは今回が初タッグと言われていますが、以前に一度、お仕事をされたことがあるそうですね。

5、6年前だったかな。事務所で毎年ファン感謝イベントを開催しているんですけど、そのときの映像ディレクションをお願いしていたのが福田さんで。でも、そのときは10~15分ぐらい現場でご一緒しただけだったんです。だから、いわゆる「福田組」として参加させていただいたのは、今回が初めてです。

――そのイベント以降も交流はあったのでしょうか?

福田さんの舞台を見に行ったときに、ご挨拶させていただいたりはしました。そのときに「いつか一緒にやれたらいいよね」とか、「こういうのをやりたいと思っているんだよね」というお話はうかがっていて。でも、なかなかタイミングが合わなくて実現しなかったので、今回のお話をもらったときは「喜んで!」とお引き受けしました。

――前作の映画『銀魂』は、ご覧になっていましたか?

このお話をいただくまで見てはいなかったのですが、昨夏の“オバケ映画”だという話は、当然のことながら耳にしていました。

――今回の続編にあたり、福田雄一監督は「鴨太郎は三浦春馬しかいない」とおっしゃっていました。そういった熱烈オファーは、三浦さんの耳にも届いていましたか?

僕は出演が決まるまで監督と直接お会いできていなかったので、そういったことは聞いていなかったのですが、そう言っていただけるのは本当にうれしいです。

――福田監督のインタビューでも、「春馬くんは鴨太郎に必要となるクールな悪役らしい一面と、センシティブで繊細な一面を演じるポテンシャルを持っている」とおっしゃっていました。

自分では、僕自身に鴨太郎の要素はまったくないと思っています。僕の気を遣ってしまう部分を、監督は“繊細”だと受け取ってくださっているのなら、そこは合っているかもしれないけど、僕はクールでもないし、知的でもないですからね(笑)。

――では、鴨太郎はどんな人だと思いますか?

鴨太郎は真選組の参謀であり、誰もが認める知識人。でも、そういったものは、鴨太郎が自分を守るために重ねてきた努力のたまものであり、彼が抱える寂しさや孤独の反動から生まれたものなのではないかと思うんですよね。だから、いろいろな人に疎まれてしまうし、ああいう行動を起こしてしまう。
とても憎みきれないキャラクターですし、それを表情の移ろいで表現してみたいというのは、衣装合わせの段階から福田監督にお話させていただきました。

――それに対して福田監督は?

表情の芝居については、とても信じてくれていた気がしました。動きに関してはキャラクターの感情の伝わりやすさを考えて、「ここで動き出す」など、指示をいただきました。福田さんは一切迷わない監督なんですよね。動きの指示を迷わず伝えてくださったので、すごくわかりやすくて、ストレスのない現場でした。

柳楽くんと僕は同じ属性。だから一緒にいてすごく楽

――「真選組動乱篇」では、鴨太郎と真選組の“鬼の副長”土方十四郎柳楽優弥)のアツいシーンも見どころです。柳楽さんとは、子役時代に映画『岸和田少年愚連隊 ゴーイングマイウェイ』で共演されていたとか。

12歳ぐらいのときだったと思います。でも、当時のことはあまり覚えてないんですよ。とはいえ、いろんなオーディション会場で柳楽くんとは会っていたので、顔は覚えてました(笑)。

――『岸和田少年愚連隊~』のときは、あまり話をすることはなかったそうですね?

そうですね。とてもくやしかったのは覚えています。というのも、主人公の幼少時代のオーディションを受けて、それに選ばれたのが柳楽くんで、僕はその友達役。当然、僕としては主人公の幼少期を勝ち取りにいっていたわけですから。

――子役時代から、柳楽さんとは俳優としてライバル関係にあったと思いますが、この『銀魂2』での鴨太郎と土方も対立する役柄。ちょっと感慨深いものがありますね。

僕としては、今回共演できてうれしかったです。柳楽くんとは高校も一緒だったので。

――高校時代も柳楽さんとお話されることはなく?

なかったですね。高校時代の柳楽くんは怖かったので(笑)。

――怖かったんですか?

1年先輩ということもあるんですけど、当時の柳楽くんは“よく切れるナイフ”のようでしたから(笑)。

――意外ですね(笑)。

でも、いま時間が経って思ったのは、こんなに居心地のいい人はなかなかいないなと。僕たちはふたりとも子役出身で、だからこその現場での居方みたいなものがあるんですよ。それはもう体に染みついてしまっているので、変えようがないんですけど、柳楽くんも同じなんだろうなと。だから、お互いに言葉を交わさなくても、何となく思っていることがわかるんですよね。

――柳楽さんも、三浦さんに対して同じようなことを言われてました。

俳優に種類とかはないと思うけど、あえて属性みたいなものを決めるとすると、僕と柳楽くんは同じなのかなと。だから、一緒にいてすごく楽なんですよね。

――その子役出身だからこそ体に染みついたものとは?

目上の人や年上の人には敬語を使いなさいとか、先輩には失礼のないようにしなさい、とかですかね。ときどき先輩の俳優さんから「何でそんなに硬いの?」とか、「そういうところが、お前はダメなんだよ」と言われることもあります。
でも、仕方ないじゃないですか。それは幼少期から培われてきたものだし、否定されても困るなと(笑)。だから、最近は「これが僕なので、否定しないでほしい」と言うようにしています。それが嫌いなら、嫌いでいいし、ということで。

幅広い人とつながりを持ちたい。『キンキーブーツ』の影響

――最近は、ドラァグクイーン役で主演を務めた、2016年のブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』や、童貞のエリート男子を演じた2017年の『オトナ高校』(テレビ朝日系)など、バラエティに富んだ役に挑まれている印象がありますが、仕事を選ぶ基準が変わってきたということでしょうか?

自分が選ぶというよりも、選んでいただけるジャンルが増えたなとは思います。10代、20代前半と、続けて役をいただけていたことはとてもありがたいんですけど、自分がやったことのない役をずっと欲してはいたんですよね。だけど、なかなか機会に恵まれなくて。

――『キンキーブーツ』では、第24回読売演劇大賞の優秀男優賞と杉村春子賞を受賞されるなど高い評価を得られました。ご自身にとって、この作品が転機に?

転機が何なのかはわからないけど、すごく挑戦の役ではありました。でも、僕は本場のブロードウェイのスゴさを知っているからこそ、あの程度のレベルじゃ世界から見たら笑われてしまうと思っています。だから、次の再演(2019年4月~5月に上演)に向けて邁進していくつもりですし、自分でもそれが楽しみです。
あと、来年の1月からは、ドストエフスキーの舞台『罪と罰』にも出演させていただきます。まったく違うジャンルの作品に挑戦できるだけのスペックを持つ、俳優であり続けたいと思っています。

――最近、Instagramを始められましたが、何かきっかけがあったのでしょうか?

いままではSNSを毛嫌いしていた部分があったんです。でも、携わった作品や、自分がいいなと思ったものを広めていくのは大事なことだなと思い始めて。
というのも、作品は自分だけのものではないし、(それを広めるのは)同じチームの一員としての役目でもあるんじゃないかと思ったんですよね。あとは自分と仕事をしたいと思ってくれる人の獲得もありますね。

――日本語だけでなく、英語で投稿されているのにも意味が?

あれは幅広い人とのつながりを持ちたいから。そう思うようになったのは、『キンキーブーツ』での経験が大きかったと感じています。英語ができないからとか、そういうことに悩まないで自分から発信していけば、何か見えないものが飛び込んでくるかもしれない。いまはそういったことに期待しています。

 

撮影/平岩 享 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

出典:livedoorNEWS

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