軌跡

―三浦春馬さん―

2018-08-15「銀魂2」三浦春馬&柳楽優弥 インタビュー

2018年8月15日 WHAT's IN tokyoの配信
※配信元のサイトは閉鎖済です
※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

銀魂2』で約15年ぶりの共演!
柳楽優弥三浦春馬が現場で共有した“感性”とは?

まさかの(!?)大ヒットから1年、あの素敵なヤツらがパワーアップしてスクリーンに帰ってきた!

2017年、実写日本映画で興行収入1位に輝いた『銀魂』の続編が、ついに完成。題して、『銀魂2 掟は破るためにこそある』が、いよいよ8月17日(金)から全国公開される。原作でも人気の高い「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」をミックスさせるという福田雄一監督ならではのチャレンジに、前作よりもさらに豪華さを増したキャスト陣が全力で笑いと感動に落とし込むという、意欲作となっている。

エンタメステーションでは、泣く子も黙る真選組鬼の副長・土方十四郎を演じた柳楽優弥と、組織の乗っ取りを画策する新参の参謀・伊東鴨太郎を演じた三浦春馬へ取材。限られた時間の中、同じ高校の先輩・後輩だったという関係性をはじめとして、現場で感じたことなどを語り合ってもらった。

福田組という座組で再会を果たした柳楽と三浦。空白の時間はほとんど感じなかった。

――今回の『銀魂2 掟は破るためにこそある』は、ある意味、土方と伊東が裏の主人公とも言えるストーリーになっていますね。

柳楽 春馬くんとは、僕がデビューした当時に一度共演したことがあって(『岸和田少年愚連隊 ゴーイングマイウェイ/04』)。高校でも僕が1学年上、という関係だったんですけど、あまり一緒に芝居したことがなかったんです。もちろん、意識はしていましたし、子どもの時から同じ仕事をしてきた春馬くんと、今回は特別な関係性のキャラクターで共演できると聞いた時は、やっぱり興奮しました。実際、撮り終えた後に得られた充実感と達成感も大きくて、すごくやりがいを感じた現場でした。

三浦 福田(雄一監督)さんからは、「いつかタイミングが合ったら、一緒にやりたいね」と言われていたので、やっと福田組で演じれる役割を与えていただいたな、というのが、お話をいただいた時の率直な感想でした。もう、素直にうれしかったですね。柳楽くんも話してくれたように、考えてみれば子どもの時に出会っていて、何度もオーディションで顔を会わせてもいて…という過去もありつつ、今回の『銀魂2』の現場であらためてご一緒することになったというのは、やはり感慨深いものがありました。ともに子役出身だからこそ、演技をしていてもプライベートでも通ずる部分があった、と僕は感じているんです。本当にやりやすかったですし、また一緒にお仕事をしたいなともちろん思いましたし、僕たち2人に限った話で言うと、とてもいい時間を過ごすことができたという手応えがありました。

銀魂』という作品そのものに関しては、すでに世界観ができあがっていたのと、福田組のチームワークが初日から感じられましたし、福田監督も迷いのない方なので、すぐに「春馬、それは違うかな」「いいね、それでいこうよ」といったことを、しっかり伝えてくださる方なので、全然ストレスがなかったんですよね。これはいい意味で言うんですけど、毎日部活をしに行っているような感覚でした。それくらい、パッと演じてパッと帰るみたいなメリハリのあった現場だったんじゃないかなって(笑)。個人的には、すごく気持ちのいい過ごし方ができました。

――部活に例えられたのは、言い得て妙な気がしますね。

柳楽 そうですね。(三浦に)その感覚は確かにあるよね。

三浦 うん、あったあった。そういうの、なかなかない?

柳楽 なくもないけどね(笑)。たぶん、福田組はスタッフさんのチームワークの感じが、より部活っぽいんだと思う。
そうなんですね。広い意味での共演というと、大河ドラマおんな城主 直虎』にお二方は出演なさっているんですけど、登場する時期がまったく重ならない〝ニアミス〟があって…。

三浦 そうでしたね、僕の方が先に〝退場〟してしまう役だったので(笑)。

柳楽 なので、ようやく再共演を果たせたという感じでした。

――ものすごく久しぶりにお芝居をしたことで、お互いに感じられたこともあったと思います。

柳楽 僕自身は、20代に入ってからさまざまなキャラクターを…演じさせて頂いたんですけど、春馬くんも同じく一つのジャンルに特定することなく出演して、主役も張るというイメージを客観的に見てきた中で持っていたんです。高校が一緒だったこともあって、妙に意識してしまっていたところもあるんですよね(笑)。お互いに色々な現場に参加してきて、30代手前を迎えたこのタイミングで、思い出に残るような作品で再び共演できたことは、本当に嬉しかったです。

三浦 柳楽くんにそう言ってもらえるのは、すごく光栄ですし、うれしいです。僕も、土方十四郎とトッシー(とあることをきっかけに現れたアニメオタク化した土方の別人格)という振り幅の広い役柄を演じ分ける柳楽くんと対峙することができて楽しかったですし、副長・土方十四郎としての気迫のようなものも現場で感じさせてもらったので、その凛々しい印象も脳裏に残っていて。それくらい強いキャラクターだったので、僕自身も集中力を高めてもらったなと思っています。

――台本の字面だけでも、トッシーの言動には笑ってしまいました。

柳楽 トッシーに限らず、福田監督の台本は読んでいる最中に思わず笑っちゃうんですよ。ただ、それを自分だけで消化するんじゃなくて、シーン全体の中に落とし込まなくちゃいけない。俳優部だけで盛り上がっているんじゃないか、と思われがちですけど、結構ハードルの高いことをサラッとやっているというか…意外と難しいことをやっていたりもするんです。その辺、どう?

三浦 うん、難しいと思った。

柳楽 単に笑わせるだけじゃなくて、その中にもしっかりユーモアをきかせるという、思った以上に高度なことをしているんだなと思ったんですよね。春馬くんの役、大変じゃなかった?

三浦 え、そんなふうに思った?

柳楽 トッシーはビジュアルが極端に変わるけど、伊東は内面の変化を表現しなきゃいけなかったじゃない? そこの占める役割がストーリーの中でも大きいし。

三浦 あ、確かに。だから、すごくやりがいありましたよ。ただ、コメディーっぽい芝居の要素がなかったので、そこに関しては、受けの時に笑わないように気をつけると心がけていた、という感じです。だから、というわけじゃないですけど…カットが掛かっていないのに、ベースで監督やスタッフさんが大笑いするのは〝反則〟だなと思いました(笑)。こっちは笑いたいのを我慢してクールな表情をしているのに、福田さんが惜しげもなく大きな笑い声を発していて。それが聞こえてくるのが、個人的にはツラかったです(笑)。

――福田組のキャストの方々がよく言われるのが、監督の笑い声を聞くと安心する、と。

三浦 確かに安心はするんですけど、確実に笑い声を音声さんのマイクが拾っているわけで…ヒヤヒヤもしますね(笑)。とにかく声が大きいので。

柳楽 大きいよねぇ(笑)。でも、何か不思議な周波数っていうか、妙に安心する働きがあるんだよね。

再び共演するまでの時間の重みが、自然とにじみ出た2人の芝居。

――三浦さんは小栗さんと公私ともにお付き合いがありますけど、出演が決まってから何かお話をされたりは…?

三浦 いえ、特にそういった話はしなかったですね。旬さんから「春馬、『銀魂2』に出てよ」とか「こう演じてほしい」といった要望もなかったです。もちろん、小栗 旬という俳優が主演を張っているということが、『銀魂2』への出演を決めた要素の一つではありますし、これまでも旬さんの主演作に出たいなと、常々思っているんですが、今回に限らず、役どころに関しては…ご飯を食べに行った時などに話す機会はあるかもしれないですけど、事前に何かリクエストされたりということは、演者同士ではまずないですね。相手が監督であれば別ですけど、そこの境界線を旬さんは、ちゃんと引いている人なんだと思います。

――なるほど、合点しました。では、続編ということで…柳楽さんは前作よりも高いハードルに挑む難しさ、三浦さんには出来上がった世界観に入っていくことの難しさなどを語っていただければと思います。

柳楽 そうですね…こういった規模の大作の続編に出た経験がなかったので、どういう感じなんだろうと身構えたところも正直あります。トッシーになったり土方に戻ったりというキャラクターを変化させる設定だったので、より集中力を要したという感じなんですけど、そんなに続編ということは意識していなかったです。詰まるところ、自分の役割をしっかりやることが大事なので…どの作品でもそうなんですけど、変なプレッシャーを感じてしまうことによって空回りしてしまうこともあるので、そういう面ではいたって冷静に演じられたんじゃないかな、と自分では思っています。

三浦 僕も特に「後から入る」という意識はなかったです。強いて言うなら、素晴らしいキャラクターを演じさせてもらうにあたっての役作りとして、監督とどのように構築していくかを衣装合わせの段階から相談させてもらったくらいです。今回の伊東鴨太郎という役どころは、最終的に後悔するわけですけれど、彼の後悔をちゃんと包み込んでくれる真選組の温かさがあるので、鴨太郎の過去を踏まえた上で彼が企てを断行していくさなか、美しく映る真選組隊士たちの絆を羨ましく思ったり、憎たらしく感じたりと…感情の針も大きく振れるんですね。そういった描写は原作のコミックやアニメーションでは描かれていないので、実写ならではの眉毛の細やかな動きだったり、目線の移ろいといった表現に僕はトライアルしたい、ということを、まず監督にお伝えしました。

ただ、撮り進めていく中で、僕のトライアルが監督にとって余計なものになるのであれば、それはやめろと言っていただいて構いません──といったような、お話もさせてもらって。結果、現場で芝居を見ていく中で、面白ければ採用していただくといった具合に、意見を擦り合わせていこう…という約束を監督との間で交わしたので、撮影と同時進行的に話し合って、伊東鴨太郎という人物をつくりあげていけたんじゃないかな、と僕自身は感じています。

――その伊東鴨太郎の登場を、柳楽さんは土方を演じる上でどのように反射させていったのでしょう?

柳楽 考えてみると、今回の現場ではその要素が一番大きかった気がしていて。現場に入る前から、春馬くんと共演するということで意識が高いところでスタートできたと思っています。〝はじめまして〟の方と芝居するのとは、やっぱり全然違うんですよね。

三浦 そう、それ、すごくわかる。

柳楽 だよね(笑)。僕と春馬くんが再び共演するその日までのプロセスがちゃんとあるので、そういう時間の重みというのは、自然と芝居に出ると思うんですよ。福田さんがそれを狙って配役されたのかはわからないですけど、いい意味で長い空白の時間が僕たちに味方をしてくれたと、僕は思っています。やりやすいとか、そういう次元ではなくて…わざわざ言葉で説明しなくても、何となく場の空気がお互いに共有できていたというか。

三浦 感覚的な話だけどね、確かにそういう感じが僕にもあった。

柳楽 長く役者をやっていると、そういう感性を共有できる現場に参加できるんだなって。それを味わえたのが、僕はうれしかったです。

 

取材・文 / 平田真人 撮影 / 内田大介

出典:WHAT's IN tokyo

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