軌跡

―三浦春馬さん―

2015-09-18「進撃の巨人」インタビュー

2015年9月18日 マイナビニュースの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

三浦春馬、『進撃の巨人』で背負ったものとは? 後編公開前の直撃でそのすべてを告白「結末は聞いていなかった」

累計発行部数5,000万部を超える"怪物"漫画『進撃の巨人』が実写化され、今夏の邦画界を盛り上げた。これだけの人気漫画の実写化には、賛否両論はつきもの。俳優・三浦春馬は主人公・エレン役に抜てきされたその日から、劇中さながらさまざまな"壁"に真っ向から立ち向かっていく。

前編公開初日の8月1日、三浦が公式ツイッターでつぶやいた「素敵な経験、そして辛い経験もさせて頂いた」。初日舞台あいさつでは前日深夜に目覚めてしまったことを打ち明けるなど、複雑な精神状態だったことをうかがわせた。彼がこのモンスター映画で背負ったものとは? 後編となる『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』が9月19日に公開されるのを前に、そのすべてを告白する。

――いよいよ後編が公開されますね。

前編が公開されて早いもので。知人から「観たよ」と感想が届いて、周囲の反響も大きいのでとてもうれしいです。話題になったことをきっかけに、誰かの時間が楽しくなったり、話の種になったりするのであれば、それはすごく幸せなことだなと思います。これまでキャンペーンで各地劇場での舞台あいさつをやってきましたが、皆さんあたたかく迎え入れてくださり、すごくうれしかったです。

――前編と後編でエレン役の演じ分けは?

映画は前編と後編で分かれていましたが、1つの物語として捉えていたので、特別に演じ分けをしようとは考えていませんでした。ただ、後編になるにつれてエレンが「自分には何ができるんだろう」と考えはじめ、「自分が人類の力になれる可能性を秘めている」と気づけた時に、彼が少しずつ成長していきます。そこは観てくださる方に強く伝えていきたいと思いました。

やり場のないエネルギー、誰かのために何かをしたいという意志。それらが「普段の何倍もの力になる」ということが非現実的な映画の世界で描かれているわけですが、それを身近な生活の中に落としこんで観ていただくことはすごく難しい作品かもしれません。巨人の迫力がすごいですからね(笑)。でも観終わってリアルな世界で考えていただいた時に、「誰かのために何かをすることは、普段の自分よりも大きな力を発揮することができる」というメッセージが伝わるといいなと思います。

――前編公開初日の舞台あいさつで、前夜に「変な汗」をかいて目覚めてしまったとおっしゃっていました。どのような心理状態だったのでしょうか。

初日を迎えるまでのプロモーションをかなりやらせていただきました。原作ファンとしての心理も働いていたのか、気持ちが焦っていたのか……一方で、どんな初日を迎えるのか公開が楽しみでもありました。自分としてはもちろん、スタッフ、キャスト陣が一生懸命取り組んだ作品でもありますし、本当に多くの方が関わっている作品だからこそ、それが皆さんにどう受け止められるのか。たぶん、いろんなことが影響して目覚めてしまったんだと思います(笑)。

――それは撮影を終えてから徐々に感じていったことですか。

公開前日、突然そんな気持ちになったんだと思います。今まで経験したことがないくらい、たくさんプロモーションをさせていただいて、疲れてそのまま寝てしまう日もありましたし(笑)。

――ハードな番宣スケジュールも、なぜ前向きに取り組むことができたと思いますか。

撮影現場にいても番宣のスタジオにいても、今回の出演者の皆さんは「一人でも多くの人に観てもらいたい」という一心でした。自分も本当に好きな作品ですし、「届けなきゃ」という思いで、がんばりたいなと思ったんです。プロモーションで、いろいろなバラエティ番組に出ることも、とても勉強になる貴重な経験でした。

作品に興味を持ってもらうということが一番ですが、自分に興味を持ってもらうことももしかしたら作品に貢献することになるかもしれない。出演作をいろんな人に観てもらうためにできることはやっていきたいです。

――昔は違ったんですか?

20歳のころは未熟だったなと思います(笑)。もちろん、作品を観てほしいという気持ちは同じなんですが。以前は「演じていること」こそがすべてだと思っていて、「何を言えば世間に刺さるのか」みたいなことは考えたこともなくて…。今ではそんなことを考えるのも楽しいと純粋に思えます。

俳優として、これから先のことは分かりません。こんなこと考えずに、演技だけに向き合っていればいいのかもしれない。でも、作品は自分だけで完成するものではありません。みんながいい思いになればという思いで「全部頑張ろう」となるんです(笑)。

――取材などメディア対応も相当数こなされたと聞きました。

そうみたいですね。自分としては実感がありませんが、過去最高みたいです。

――行定勲監督をはじめ、これまで三浦さんと関わった監督からは「真面目」と言う声を多く聞きます。番宣や取材などに取り組む姿勢もその表れなのではないかと。

よく言われますし、周りからは真面目に見られがちですね。自分としては普通だと思っているんですけど、どういうところを見てそう思われているのか……発言に面白みがないんですかね(笑)。

――シキシマを演じた長谷川博己さんも、現場で三浦さんが必死に台本を読んでいる姿を目撃し、同じように思ったみたいですよ。

長谷川さんとの共演シーンではいろいろ考えることができるなと思って……いろいろ迷っていたんだと思います。それかただただ集中していたのか……どうしようかな、どういうことなんだろうなと悩んだり……。

――行定監督の『真夜中の五分前』では、役柄以上に中国語がうまくなりすぎたそうですね。「真面目」な一面はそういうところだと思います。

ちょっとでもうまくなっていれば、そこから下手にすることはできます。でも、それ以上のうまさを求められることはさらに難しい。だから、とりあえずうまくなっておこうと思ってしまうんです。

――『進撃の巨人』の撮影で、そのように備えたことは?

しっかりと体を作り込んで現場に入りたかったんですが、ドラマの撮影が終わってすぐのインだったので、正直なところ満足なトレーニングができない状態でした。軍艦島や熊本など地方の撮影からはじまったので、撮影の合間にトレーニングしていました。

――本作でメガホンを取った樋口真嗣監督は配役を決める前、身体能力を確かめるために三浦さんが出演した劇団☆新感線の舞台『ZIPANG PUNK~五右衛門ロック III』を観に行ったそうです。打ち上げで話したそうですが、会話の内容は覚えていますか。

覚えてないです。「よかったよ」とか「体キレてるね」ぐらいで。『進撃の巨人』の話は全くありませんでした。樋口監督がなぜその場にいるんだろうって不思議に思っていました。振り返ると、監督は違和感なく溶け込んでいたなぁ(笑)。あの舞台に出てなかったら、『進撃の巨人』にも出てなかったかもしれませんね。

――公開初日の公式ツイッター「素敵な経験、そして辛い経験もさせて頂いた」とありましたが、どのような思いのメッセージだったのでしょうか。

内緒です(笑)。

――そこをなんとか(笑)。

すてきな時間というのは、本当に経験できないようなことをいろいろ経験させてもらったことでもありますし、経験できないからこそ大変だな感じたこともたくさんありました。ワイヤーアクション、グリーンバックでの撮影、足場が悪い軍艦島の撮影……あとは大きなプレッシャーを感じていたことも事実だと思います。そういうこともひっくるめて、「すてきな時間」でもありましたし、「つらい時間」でもありました。言葉にできないこともいっぱいあります。今では「経験させてくれてありがとう」、そんな気持ちです。

――過酷な撮影を乗り越えたからこそ、見えた景色だったわけですね。

3カ月間、セットに入ってのグリーンバックの撮影だったので、見えないものとの演技が大半でした。いくら監督に「OK!」「よかったよ!」と褒められても、それが続いていくと、本当に自分の演技、アクション、反応が完成した映像とマッチするんだろうかと。そういう不安がずっとつきまとっていました。OKを出されても、自分の中で納得できる演技かどうかの計算ができない。そんな状況でした。

今だから言える話ですけど、やっていて「はたからはどう見えるんだろう」とか。疑心暗鬼になってしまう時もありました。でも、完成していたのものを観て、スタッフのみなさんが頑張ってくださったおかげで『進撃の巨人』の世界で生きさせてもらえている感じがして、本当にホッとしました。

――昨年の8月19日がクランクアップだったそうですが、撮影を終えたその日は何をしましたか? 覚えていますか。

(しばらく考えこんで)すぐに家に帰ったと思います。あまり覚えていませんが、一仕事終えたというか、解放された感じでした(笑)。

その後に前編、少し遅れて後編の試写があって…後編にはビックリさせられました。一番最後の最後に台本にはないことが盛り込まれていたので、それには驚きました。

何も聞いていなかったですし、まさか撮っているとは思ってなかったので、僕の中ではどんでん返しでした(笑)。皆さんにどう思っていただけるか分かりませんが、そこも見どころの1つだと思います。

 

著者:水崎泰臣
撮影:WATAROCK

出典:マイナビニュース

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