軌跡

―三浦春馬さん―

2015-05-07「地獄のオルフェウス」大竹しのぶ&三浦春馬 インタビュー

2015年5月7日 SankeiBizの配信
※配信元はサイト閉鎖済です
※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

少しでもわかり合える人がいたら幸せ 大竹しのぶ三浦春馬
舞台「地獄のオルフェウス

米国の劇作家、テネシー・ウィリアムズの「地獄のオルフェウス」が上演され、今年デビュー40周年の大竹しのぶ(57)が主演、ストレートプレー初挑戦の三浦春馬(はるま、25)が相手役を務める。米南部で出会った男女が寄り添いながらも傷つけ合う姿を描き、ウィリアムズの「欲望という名の電車」の系譜ともいえる作品。根底にある孤独や愛、切なさといったテーマを、2人はどう描くのか。

人間はみな独りぼっち

「地獄のオルフェウス」は1957年発表。ウィリアムズが旧作を17年かけて改訂した意欲作で、過去に映画化もされた。米南部の街で、不幸な結婚生活を送る洋品雑貨店の女主人レイディ(大竹)のもとに、蛇革のジャケット姿でギターを抱えた青年ヴァル(三浦)が現れる。2人は激しい恋に落ちるが、保守的で排他的な街の因習と暴力が影を落とす。演出・フィリップ・ブリーン、翻訳・広田敦郎、共演に水川あさみ三田和代ほか。

大竹のウィリアムズ作品への出演は、蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)演出の「欲望という名の電車」でヒロインのブランチを演じて以来13年ぶり。「オルフェウス」も同じ米南部を舞台に、閉塞(へいそく)感の中の複雑な人間関係を描いている。だが「愛と切なさ」がより迫ってくる点で、「『欲望-』とは全然違う」と大竹は言う。

「生きるために必死で働いてきたレイディが、ヴァルに出会って光を見いだす。愛せない、愛されない孤独を抱え、人間はみな独りぼっち。少しでもわかり合える人がいたら幸せ。女の切なさ、わがままさはよく分かる。ブランチより人間味がある気がする」

舞台の楽しさに開眼

ブリーンは、英演劇界の名門ロイヤル・シェークスピア・カンパニーなどでキャリアを積んだ、新進気鋭の演出家。愛や愛することの難しさを「ユーモアを持って表現したい」と話し、その演出は「一つ一つが緻密」(大竹)という。

その指導もあって三浦は舞台に開眼してきている。ヴァルは映画版では名優マーロン・ブランドが演じた。「みんなを翻弄し、女性を惑わし男性を嫉妬に狂わせる、不思議な力を持った男だと最初は思った。でも結局は、彼も一人の男ではないかという気がする。感情とせりふを練り合わせていく作業が、今はとても楽しい」と目を輝かす。

大竹に学ぶことも多く、「せりふとせりふの間の芝居がいつもあり、感情を引っぱってもらっている」と感謝する。大竹は三浦を、「毎日、進歩している。誠実で気を使わないで話せるし、『いい芝居を作りたい』という思いも一緒」と手放しで褒める。「年の差愛」に三浦は「大人っぽいと言われる僕ですが、大竹さんの前だと子供っぽく見えるらしい」と笑う。

デビュー40周年の大竹は「過去はあまり振り返らない。目の前のことしか考えないでずっとやってきた」と今回の作品に全力投球。「国も年代も違うけれど、今の自分にぐさっと刺さり人生を考えられる。家に帰った次の日の朝にも、余韻が残る芝居を作りたい」。そうしたことができる「演劇ってすごい」という大竹の言葉には、キャリアが物語る実感がこもっていた。

 

三尾郁恵撮影

出典:SankeiBiz

f:id:hm-eternally:20220109170812j:plain

 

掲載内容の著作権及び商標権その他知的財産権は、配信元または当該情報の提供元に帰属します。

 

ブログ投稿記事を纏めたライブラリーサイト