軌跡

―三浦春馬さん―

2013-12-25「僕のいた時間」インタビュー

2013年12月25日 「僕のいた時間」公式HPの配信
※配信元は閉鎖済です
※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

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インタビュー#1 三浦春馬さん

―ALSという病を題材にしたドラマですが、演じる上で大切にしようと考えていることは?

まず、『命』というテーマにチャレンジしたいと思ったきっかけ、そして、この作品のお話をいただくことになったきっかけからお話します。

『ラスト・シンデレラ』というドラマをやっているときに、「もし次にドラマをやらせていただけるのであればどういう役にチャレンジすべきかな?」と考えたんですね。

そこで、次は命を題材にして、そこで生まれる、家族との絆の修復、希望、友人との関わりを大切にするといった部分を演じることによって、自分自身を見つめ直すというか、そういう中で生まれてくるであろう、いまだかつて演じたことのない心情だったり、表現力だったりを生み出していきたいと思ったんです。

それを、(『ラスト・シンデレラ』プロデューサーの)中野利幸さんたちに聞いていただいたところ、とても興味を持っていただきまして…。当時は漠然としたイメージしかなかったんですけど、こうしてきちんと形になり、キャストも素晴らしい俳優陣が集まってくれて、スタッフも経験のあるスタッフ陣が集まってくれて形になったので、責任も感じていますし、引き返せないな、という気持ちにもなりました。もちろん、引き返すつもりはないんですけどね(笑)。

こんなに大きいテーマを扱うので、当時、僕が本当にやりたいと思っていた題材、挑戦したいと思っていた『死』というリミットが迫るところで、人はどういう感情に陥り、どういう希望を見いだすのかというところを、まず自分で考え抜いていきたいです。

どうしても結論が出なかったら、周りには素晴らしい味方がたくさんついてくださっているので、そういう方々の意見も聞きながら、真剣に、ささいな表情や気持ちの変化の移り変わりを丁寧に演じていきたいと思っています。

全身全霊で挑まないと、本当に力を貸してくれた人々に残念な思いをさせるだけなので、それだけは決してしたくない、と思っています。

橋部敦子さんの脚本について感じたことは?

現場に入ってからもそうだと思うんですが、「なぜこの言葉を言ったんだろう?」と考えさせられるのと同時に、セリフの掛け合い、やりとりが本当に楽しくなっていきそうで、素晴らしいと思いました。もちろんプレッシャーもありますが、演じるのが楽しみで仕方なかったです。

―拓人というキャラクターについてはどういう印象をお持ちですか?

いま若者が就職に苦しんでいて、その中で生まれる不安や苦しみ、葛藤が脚本の中にちゃんと描かれているので、そこをどんどん肉付けしていければいいな、と思いました。

拓人は、比較的裕福な家庭に生まれたわけですが、それ故に生まれる寂しさだったり、親の愛情が自分には注がれていないという思いなどを持ちながら生きてきた青年でもあると考えているので、もしかしたら、友人や先輩、恋人ともきちんと真っ直ぐに向き合ってこなかったんじゃないかな、とも考えています。人を愛することが少し怖くて、深いところまで入っていけないような青年だと思うので、そういうところもどう演じていこうか考えました。

―『命』というテーマに挑戦したいと思ったきっかけは?

映画では何本かやらせていただきましたが、ドラマでは、自分が病に冒されて、自分の生きていた軌跡や、未来を考えながら歩いていくような役どころは演じたことがなかったんです。
だから、次にドラマをやるんだったら、また新しいところに挑戦したかったんです。

難病を題材にした作品をやるというのは、ALSを扱ったドキュメンタリー番組を見まして、そこに映し出されていた家族の姿にとても感動したんです。

そこから、こういう題材に取り組むことで、自分にどんな感情だったり表現だったりが出てくるんだろうか、という興味が出てきたんです。

―具体的には、その家族のどういうところに感動したのですか?

その番組はお母さんが病に冒されていたんですが、旦那さんが、自分の仕事もあるのに、床ずれがおきないように体を動かしてあげたりだとか、子どもの世話をしたり…。

奥さん自身もまだ体が動くので、新薬を開発するために、国や投資家からお金が出るように活動しているボランティアの一員としていろんなところに飛び回っているんですね。希望を持って家族全体が前に向かっていこうとするその姿は、とても感動的で、言葉にならなかったです。旦那さんが、奥さんにサプライズをしたいと、本当に時間がない中、手作りのシフォンケーキを作ったりする姿にも夫婦の愛を感じまして、それが心に刺さりました。

―役者として次のステップに行きたいといった心境の変化があったのでしょうか?

続けて同じような役はやりたくないと思ってました。これから先やらないとは言ってるわけではないのですが、僕自身、成長したいという思いが強いんです。

だから、同じような役柄ではなく、いろんな役に挑戦したいっていうのは常々思っています。

いままでドラマでやらせていただいた役は、とても振り幅が大きいというか、例えばテロを扱っていたり、いきなり普通の高校生が侍になってしまったり…という感じのものが多かったんです。

この作品も扱っているテーマはとても大きいんですけれども、身近な、自分があたりまえのように過ごしていた世界があって、その中で一生懸命もがいている小さい自分がいるのに、それを何か大きな闇のようなものが包んだとき、その世界さえもどんどん変わってしまうというか…。

その中で、どうやって希望を見いだしていくか。人間が生きていく以上、周りの支えが絶対に必要なわけですけど、日ごろは心から感謝していなかったかもしれないその存在に、本当に感謝できるようになったり…。そういう部分が、視聴者の皆さんに、深くささるような芝居ができたらいいなと思っています。

多部未華子さんとの共演については?

多部さんとは以前共演もさせてもらっていますし、本当に素敵な女優さんだと思っています。僕なんかが軽々しく言えないんですけど、彼女とお芝居をしていると、自分の中の感情を引き出してもらえるというか。そういう女優さんだと思っています。

―実際にどういう役作りをされましたか?

作品が始まってからなんですけれども、実際にALSの患者さんにお会する計画を立ててもらっています。

なぜ始まってからかといいますと、始まる前からお会いしてしまうと、どうしても気持ちが引っ張られすぎてしまうと思うんです。

この作品は、就活をしている大学生のところから始まっていき、そこで感じる仕事に就くことの難しさだったり、そこで生まれる友人との関係の変化だったりが描かれるんです。

ただ、知識としてはやはり持っていたいので、患者さんのブログを読ませてもらったり、いただいた資料に目を通したりはしています。

―三浦さんの周囲に、就活中の友だちはいますか?

もう僕の周りには就活している友達はいないんですけれど、「本当に辛いよ」「辞めてぇ」と言っているやつは何人かいて…。

偉そうなことは言えないんですけど、僕は高校卒業してこの仕事一本でやらせてもらっていて、もちろん本当に辛くて弱音を吐いて、辞めたいって思った経験もあったので、「いや仕事っていうのは、辞めたい時は絶対来るんだよ、それを乗り越えてから考えてみれば?」と言ったことがあります。仕事に対して嫌気がさすっていうのは、誰しもが一回は経験すると思うんです。

だから、今回は自分の経験だったり、もしかしたら、自分が経験した悲しいことだったりとか、怖いことだったりとかを、掘り起こす作業も出てくると思います。そこに力を借りるということもあるかもしれません。

―そういう意味でもハードな撮影になるかもしれないですね。

ハードルはかなり高いと思います。でも、やればやるほど、いい芝居や気持ちが作れると思います。なので、決して諦めずに、倒れるくらいやりたいなと思っています。

―いまは、自分をいじめたい時期ですか?

いや、そんなことないですよ(笑)。辛い状況だったりとか、辛い気持ちを重ねていった先に何があるのか、というのを自分に課す必要が実はこういう芸能の世界、演技の世界にも絶対あると思うんです。

ある方がおっしゃっていたんですが、能の世界は、仮面をかぶることによって視野を本当に狭くするんですって。本当に危ない演目もあるんですけど、視野を狭くすることを自分に課して、より表現力をおおらかにする、そういう技術があるそうです。

それと同一では語れないかもしれないですけど、自分の中にもある辛いことや悲しいことを掘り返して、そこからもし何かが生まれてくるんだったら、そこにどんどん乗っかっていきたいです。自分自身が見たことがない自分の表情を見たいみたい、という気持ちがありますね。

―「生きる」ことを考える4ヵ月になりそうですね。

本当に大変だろうけど、考えることを止めずに頑張りたいです。その中で、役者としてだけじゃなくて、人間的な感性も育てばいいな、と思っています。だから、見てくれる人たちが…これは綺麗ごとかもしれないですけど…そういう感性を温め直して欲しいなって思っていて。僕と同じ世代の人が見てくれるのであれば、一緒に成長してほしい。そのためには最高の芝居をしなければならないと思っています。

 

出典:「僕のいた時間」公式HP

「インタビュー#2 多部未華子さん」より抜粋

―同年代の若いキャストが多いという意味では、やり易いですか?

今まであまりないので…どうなんでしょう(笑)。ただ、三浦春馬さんとは2度目の共演ですから、「こうしないと!」というような気負った感じはないです。ですので、肩を張るような感じではないです。今はまだ恵が拓人の病気のことを知らない段階ということもあると思うんですけど、恋愛ウキウキ、楽しいモードの撮影が多いですしね(笑)。

―拓人を演じている三浦春馬さんとこの現場で共演されてみての印象は?
以前共演されたときから、何か違いを感じたことはありましたか?

変わらないです。とても真面目で、お芝居に真摯に取り組んでいらして…。監督さんやプロデューサーさんと、物語やキャラクターに関して話をして作っていくタイプだと思うんです。「何か気づいたことがあったら言ってね」っていうスタンスも同じですね。ただ私は、あまり話しに行くタイプではないので、もしかしたらやりづらい相手なのかもしれないですけど(笑)。

―三浦さんは「自分の中の感情を引き出してくれる女優さん」だとおっしゃっていました。

本当ですか? 特にそういう意識はないんですけど、嬉しいです。

 

出典:「僕のいた時間」公式HP

「インタビュー#3 風間俊介さん」より抜粋

―この現場での三浦春馬さんの印象は?

この作品に対してもの凄く真摯に取り組んでいますね。だから、僕も真面目な話を織り交ぜつつ、現場にバカな風を、と思ってくだらない話もよくしています(笑)。僕も、どちらかと言えばライトな作品より重い作品に出させていただくことが多いんですけど、そういう作品って、ふとしたときにふざけ合ったりすることが大事になったりもするんです。だから今は、どこかから怒られるまでふざけていようかな、と思っています(笑)。「あいつが来ると、ふざけた空気になるな!」みたいな。でもそれが守の優しさにもつながっていったらいいな、と思っているんです(笑)。何か面白いエピソードあったかな…。みんなでご飯食べに行こう、という話はしょっちゅうしてますね。僕の舞台を見に来てくれる約束もしました。春馬くん、僕のことを凄く労わってくれるんです。

 

出典:「僕のいた時間」公式HP

「インタビュー#4 野村周平さん」より抜粋

―こういう"嫌なキャラクター"を演じる気分は?

僕は凄く楽しいです(笑)。やっぱり、自分とはまったく違うキャラクターの人生を演じることができるので。やるからには本気でやりたいですから、拓人を演じている三浦春馬さんはもちろん、見てくれている方たちも本気でムカつかせたいですしね(笑)。でも、最初のころに陸人が言っていたことって正論だったりもしますよね。就活も入試と一緒で事前に下見に行ってイメージした方がいい、とか。言い方が問題なだけで間違ったことは言ってないと(笑)。見てくれた方の反応も面白いんです。「今回の役は嫌!」みたいなご意見も結構いただくんですけど、僕はそれが嬉しいんです。

嫌なやつに見えれば成功、ということですからね。

だから、もっと嫌ってほしいんです(笑)。

―三浦さんは何かおっしゃっていましたか?

「お前、ホントにムカつく!」って言ってくれました。だから「いや、役ですから。許してください」って返しました(笑)。

三浦春馬さんと共演されてみての印象は?

春馬さんはプロ意識が高いですし、お芝居に対して本当に真剣に取り組んでいる方です。今回は重い題材なだけに、特にそれを感じます。ドラマで共演させていただくのは初めてだったので、そういう春馬さんの姿を見て、凄いなと思いました。普段から、スタッフの方たちと細かい部分まで話し合っていて、試行錯誤しながら演じているのも見ているので。現場での過ごし方とかも、とても勉強になります。

―今回の現場で印象に残っている出来事を教えていただけますか? 

セット撮影で昼食休憩に入るとき、春馬さんが隣にいたので「ごちそうさまです!」って言ったら、「ああ、いいよ。昼飯くらいおごるよ」っておっしゃっていただきました(笑)。僕、スタジオの食堂とか大好きなので嬉しかったです!

―食事はとても大事ですからね。ロケが続けばその間ずっとお弁当だったりしますし…。

大事ですよね。スケジュールもどんどんしんどくなったりするじゃないですか。そういうときに、何かひとつ小さな幸せを感じることができるのはやっぱりご飯だと思うんです。疲れているときに美味しいご飯を食べられる、というだけでもう幸せですからね(笑)。それでモチベーションを保てるんです。ロケで「晩御飯何かな?」って思っていて、ケータリングだって聞いたときはみんなテンション上がりますし(笑)。今回はほとんどセットなので、三浦さんやマネージャーさんにご飯をおごってもらっていますけど(笑)。

 

出典:「僕のいた時間」公式HP

「インタビュー#5 斎藤工さん」より抜粋

―三浦さんと共演されてみての印象は?
僕より全然お若いんですけど、ご一緒してみて一挙手一投足を緻密に考えて芝居をされているな、と思いました。三浦さんのような、子役時代からいろんな役柄を演じられている方が主軸としてやっている、というのは実は凄く大事なことで、彼のお芝居を見ながら成長して俳優の道を志した多くの若い方たちが、彼を指針にして、刺激を与え合っていい作品、現場を作っていってくれるんじゃないかな、と思うんです。そういう意味でも、大きな存在だと思います。役に対する姿勢もそうですけど、かつての映画スターとか、そういうスケール感を感じます。

 

出典:「僕のいた時間」公式HP

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