軌跡

―三浦春馬さん―

2020-01-14「シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート」インタビュー

2020年1月14日 LINE TICKETの配信
※配信元は閉鎖済です
※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

三浦春馬 シンシア・エリヴォと同じステージへ臨む意気込みとは 『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン三浦春馬』インタビュー

ブロードウェイのみならず、ハリウッドでも旋風を巻き起こす驚異のディーヴァ、シンシア・エリヴォ。ミュージカル『カラー・パープル』で主演セリー役を演じ、2016年のトニー賞主演女優賞、グラミー賞エミー賞など数々の賞を受賞したミュージカル界のスーパースターだ。

主演映画『Harriet』が第77回ゴールデングローブ賞放送映画批評家協会賞の主演女優賞&主題歌賞にノミネートされるなど、ブロードウェイのみならずハリウッドでも旋風を巻き起こす彼女が、2020年1月、待望の来日コンサートを開催。マシュー・モリソンとともにゲスト出演する三浦春馬に、その意気込みを聞いた。

――出演が決まったときの感想と、共演の二人に対するお気持ちをお聞かせください。

まさか自分に話が来るだなんて思ってなかったので信じられなかったです。
『4Stars 2017』でシンシアさんのパフォーマンスを見たんですが、これが世界クオリティなんだって、表現力や声のリッチさに息を呑みました。どの楽曲も違った表情や強弱をつけながら、まったく歌声がブレないんです。
これはシンシアさん独特な部分だと思うんですが、声を張り上げるときに天を仰いだりするんですよ。その状態で気管支を狭めず、吠えるように祈るように、安定した声を出せる。普通じゃ考えられないです。体勢の不自由さから解き放たれて歌えるその自由さに人は感動するんだと思いますし、そんな世界最高峰の表現者と同じステージに立てることがとても光栄です。

『4Stars 2017』に出演していた(城田)優くんが案内してくれて、終演後シンシアさんの楽屋に挨拶に行ったんです。『キンキーブーツ』日本版でローラを演じるんだよと紹介されたのですが、オリジナル版でローラを演じたビリー・ポーターさんと仲がいいらしく、胸に手を当てながら「本当におめでとう」と穏やかに言ってくれたことが印象に残っています。

マシューさんにはまだお会いしたことがないのですが、ドラマ『glee/グリー』を観ていたので、不思議な感覚でした。仲の良い通訳の方がマシューさんとお仕事をしたことがあって、パフォーマンスはもちろんのこと、人柄も素晴らしいからきっと春馬くんと波長が合うよって言ってくれて、お会いできるのがすごく楽しみです。

――とても特別な二日間になると思うのですが、一番の見どころは何ですか?

歌が上手いのはもちろんのこと、シンシアさんの多彩な表現力による極上のエンターテイメントが観られる、こんなスペシャルな時間はないと思います。楽しみにしていてほしいです。

――練習はどのようにされているんですか?

僕は5曲くらい担当することになるのですが、ほぼ英語での歌唱になるので、発音をいちから教わっているところです。それこそ単語一つ一つの発音を直してもらっているのですが、自分の発音がこんなにもダメだということに毎日幻滅しながらやっています。ええっ!?こんなにできないの!?って(笑)。最初は発音確認だけで5時間とかかかってました。それも一曲とか二曲で、ですよ。

でも、一生懸命準備しただけ、二人から学ぶことがあるはず。本番やリハーサルを通して、ギフトのように受け取れるものがあるはずだから、僕がアクションを起こした時に何が生まれるのか、しっかり集中できるようにしていきたいと思っています。

――英語での歌唱についてはどうですか?

やはり母語ではない言語で歌うということの難しさ、壁はあります。
ボーカルトレーナーには、まず日本語で歌ってから、歌詞を朗読しなさい、と教わりました。歌詞を覚えて、歌唱力をしっかりさせることが表現につながると 。

――ちなみに英語の発音は何が一番難しかったですか?

それを言ったら本番でそこだけ注目されちゃいますね(笑)。
やっぱり「r」の発音です。自分ではできているつもりだったのですが、けっこう舌を巻いていたみたいで…こもっている音になっていたみたいです。例えば「stars」って単語の「ar」部分の発音。ボーカルトレーナーに正しい発音を教わっても、何が違うのか全然飲み込めなくて。一曲につき発音指導が4、5時間かかってました。落ち込んだというより、もう耳から湯気が出るような感じでしたね。

――4、5時間…心が折れそうですね。

甘いものを挟んでなんとか…(笑)。

――言語の壁はありつつも、翻訳ではなく「この音のために作られた言葉」を歌える喜びもあるのではないですか。

そういう意味では歌いやすいですね。例えば『キンキーブーツ』の「Not My Father's Son」では、日本語で一度歌った経験があるので、英語で歌うとこの部分はこんなに声を出しやすいんだ、という気づきもありました。
『キンキーブーツ』日本版を観に来てくださった方も、英語詞で歌うことでまた違う楽しみ方をしていただけると思います。

――セットリストについて。三浦さんが歌われる楽曲について、どのようにお決めになったのですか?

『ディア・エヴァン・ハンセン』の「Waving Through A Window」や『グレイテスト・ショーマン』の「Rewrite The Stars」は、プロデューサーからの提案がありました。日本でもメジャーな曲ですし、普段ミュージカルをあまり観ないという方でも楽しんでいただけるナンバーだと思います。
『シークレット・ガーデン』の「Lily's Eyes」は僕の提案です。ハーモニーも好きだしクラシカルな歌い方のナンバーなので、個人的にも次へのステップになるかと思い選ばせてもらいました。3月に出演するアンドリュー・ロイド=ウェバーの『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』からは「Unsettled Scores」を。これは日本語で歌います。

――「Rewrite The Stars」はシンシアさんとのデュエットになりますね。

デュエット曲って、小池(徹平)くんとの「Not My Father's Son」くらいしか経験がないんですが、演技をしているときとはまた違う、歌うことでリズムやハーモニーが生まれて、高揚感というか独特な共感みたいなものがあるんです。今回はシンシアさんともマシューさんともデュエット曲があるので、二人ともそういう瞬間が経験できたらいいですよね。本番は緊張すると思うんですが…楽しみです。

――最近はミュージカルや舞台への出演も多いかと思いますが、同じ「生」でもコンサートはまた違うものなのでしょうか?

自分との向き合い方の差ですよね。ミュージカルは1ヶ月、2ヶ月かけて準備するので、仲間やスタッフと作り上げたものへの信頼感や自信があります。でもコンサートは一人で積み上げてきたものと向き合わなくてはならない。集中しすぎてガチガチに緊張しちゃったり、自分の殻に閉じこもっちゃったりして相手とのデュエットがままならないなんてこともあるかもしれない。

優くんが『4Stars 2017』に出演したとき、共演のシエラ・ボーゲスさんに「本番はただシェアするだけなんだよ」って言われたらしいんです。これまで積み上げてきたことを証明しなければ、と気負うのではなく、ただただシェアするだけなんだ、っていう言葉にすごく救われたらしいんです。その言葉を僕も本番思い出しながらステージに立てたらと思いますし、すごく勉強になりました。悔いのないように一生懸命準備して、あとは二人のパフォーマンスから学ぶことに努めたいなと思っています。

――贅沢な時間になりそうですね。

緊張で真っ白にならないようにしなくちゃ(笑)。そこだけが怖いなあ。
でも本番は興奮しちゃって、意外と「あっという間だったー」みたいな感じで終わっているのかもしれません。

 

文・撮影=山口あゆみ

出典:LINE TICKET

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