軌跡

―三浦春馬さん―

2019-03-14「ダイイング・アイ」インタビュー

2019年3月14日 マイナビニュースの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

三浦春馬、尖ろうとしていた時期を振り返る「破壊的な感情から良いものは生まれない」

「尖ったというか、気が大きくなっていたんでしょうね。『そんなことをしても、別にそこから得るものって何もなかったよ』って言いたい。何もなかった(笑)。恥ずかしいことしかなかったですね」。

自身の過去についてそう語るのは、東野圭吾の同名小説を映像化した『連続ドラマW 東野圭吾 「ダイイング・アイ」』(WOWOW 3月16日スタート 毎週土曜 22:00~ 全6話 第1話無料放送)で主演を務める三浦春馬だ。劇中でクールなバーテンダー役に挑んだ三浦に、演じたキャラクターや作品への思い、役者人生における転機、後悔している過去の出来事などについて語ってもらった。

――バーテンダーの雨村慎介が、過去に起こした交通事故を機に、保身や贖罪といった人間のダーティな面が色濃く浮かび上がってくるサスペンス・ドラマでしたが、どんなアプローチで雨村慎介という役に取り組まれましたか?

原作を読み、台本をしっかりと読みました。あとはバーテンダーの所作として、日本で一番になったこともある実力を持つ方にきちんと指導をいただいたいので、テクニックを馴染ませていく作業がすごく楽しかったんです。バーテンダー監修の水澤さんのお店の厨房に立たせてもらって、実際にシェーカーを振り、お酒を作る練習をさせてもらいました。そういうことをやらせていただいて、バーテンの仕草としては、十分な練習時間をいただけたんじゃないかなという感じだったので、よかったです。

――雨村慎介は感情移入するのが難しい役だったかと思いますが、心理面ではどんなアプローチを?

今回はありがたくも、脚本の吉田紀子さんが、キャラクターのバックボーンを細かく書いてくださったんですね。なので、自分の想像を膨らませるというよりは、それに忠実に演じられればいいかなという思いでした。(吉田さんの設定は)原作とは離れすぎず。だけど原作には書いていなかった、父と母がなぜ出会ってというところから始まり、主人公と兄の関係性だったり、主人公と両親の関係性みたいなところから丁寧に書かれていたので、僕は(読んでいて)とても面白かったです。

――登場人物が見せる、保身や欲といったダークな側面については、どんな思いを抱きましたか?

自分の欲を出したり、保身を続けることがなければ、ここまで自分が時間を共にしてきた人間や、尊敬していた人間の変わり(=変化)を見ることはなかったのではないかという後悔の念などには、考えさせられるところが多分にあるのではないかと感じる作品でした。

――そもそも、本作に出演する決め手となったものは何だったのでしょう?

こういうミステリー作品の真ん中でやらせていただくことって、単発ドラマではあったかもしれないんですけど、連続ドラマではなかったんです。お話をマネージャーから聞いたときに、純粋に面白そうだと思いましたし、記憶喪失やバーテンダーもやったことがなかったもので。チャレンジが用意されているような気がしたので、すぐにやりたいと思いました。あとは(役者の)先輩で「もちろん民放も素晴らしいんだけど、WOWOWのもの作りも、勢いや情熱があるから、とっても良い経験になるんじゃないか」と後押ししてくださった方がいて、それも大きかったですね。

――そんな本作に出演したことで、俳優として得たものは?

バーテンダーのシェーカーの振り方だったり、ステアの仕方、一つ一つの所作を良いものにしていく過程が、とっても楽しかったんです。厨房に立たせてもらい、シェーカーを振り、練習するということの面白さやその時間を、とても大切にできた気がしていて。カクテルを作るシーンは自信を持って立たせてもらいましたし、キャラクターの技術を自分に馴染ませていく作業が、こんなにも楽しいんだと、改めて気づかされた現場だったなって思いました。

――本作は一つの過去についての物語であると同時に、良い選択をできなかった人々が堕ちていく様を描く物語でもあると思います。三浦さんは俳優としてのキャリアを振り返ったとき、俳優としてのご自身に明確にプラスになった選択・出会いはありますか?

まずは、アミューズに入ったというところが大きいですかね(笑)。内面的には、色々ありすぎて。語り出したら切りがないなと思うんです。でも本当に心から感じるのは、自分のターニングポイントじゃないですけど、映画『恋空』があって。そこから主演作品を担当させてもらえる機会が徐々に増えていきました。そこからというもの、どの現場も、負けることはあるし、すごくいい人と出会って助けてもらったこともあります。

やっぱり、大きな作品を任せてもらえるということは、すごく反省もあるんだけど、すごく成長できる。今につながっているんだなあって。まだまだ軟弱な俳優ですけど(笑)、そういう風に思います。やっぱり『14歳の母』から始まって『恋空』という流れが、すごく「ついていたな」って思います。

――「内面的には、色々ありすぎて」ということですが、過去の自分は尖っていた?

あったみたいですね。この間、小栗(旬)さんにまた言われました。ある友人に僕の話をするときに「春馬がね~、一時の俺みたいに、すごく尖ろうとしていた時があってさ」みたいな(笑)。そういう時期があったみたいです(笑)。

――そんな過去の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけたいですか?

尖ったというか、気が大きくなっていたんでしょうね。「そんなことをしても、別にそこから得るものって何もなかったよ」って言いたい。何もなかった(笑)。恥ずかしいことしかなかったですね。喧嘩してみたりとか。周りの人に迷惑かけてみたりとか。お酒を飲んでたりということしかなかったです。今でも酔っ払いますけど(笑)。良いものって、生まれないのかも。破壊的な感情からは。

――気持ちが大きくなったのは、役者としての躍進、つまり主演を張るようになったことと関係していたのでしょうか?

どうでしょうね。その当時も、地元のやんちゃな人間といるときは気も大きくなっていたし…。それとは違うか(笑)。わからない!(笑)。はっはっは!どうなんでしょうね?子役からやっていることが、そこに繋がっているかはわからないですけど、もちろん、人に対して不快な思いをさせたことは、きっとあると思うんです。生きてきて。別にその気がなくても「なんで今の言葉使っちゃったんだろう」とかありますよ。でもそれが、主演を任されたからっていうことなのかは分からないけど、要素としてあるのかもしれない。

――三浦さんを含め、子役出身の俳優さんには、振る舞いが大人だなというイメージもあります。

柳楽優弥くんを見ていて、話していて、すごく思ったのは、子役からやっている人たちって、独特の雰囲気というか…。もちろん若干、高飛車になる時も、もしかしたらあるのかもしれないけど「でも基本的にちゃんとしているよね」みたいな(笑)。「ちゃんとしているというか、腰が低い感じはあるよね」みたいな話になったんです。でもそれは、僕たちが腰が低いとかじゃなくて。そうでいたいだろうし、そうでいるんだろうな…と信じたい感じはあります(笑)。

――そうでいれないときも…?

たまにね。人だから傷つけちゃう。本当に謝りたいと思っていることが、一個あって。あるインタビュアーさんに。その日も、たくさんインタビューが続いていたんです。それで、地球ゴージャス(事務所の先輩である岸谷五朗寺脇康文が主催している演劇ユニット)のことを聞かれたんです。寺さん(寺脇)と五朗さん(岸谷)の話をすごく聞かれていたんですけど、そのときになぜか、申し訳ないですけど、その質問が嫌だったんでしょうね。もう、この場を借りて…

――謝っちゃいましょう!

すみません。本当に強烈ですよ(笑)。「愚問ですね」と言っちゃったんですよ。そのときはエネルギーが前に前に行っていたから「次の話、次の話」「愚問ですね」「~で、~なんですよ」という話をしちゃったんです。その時の彼の表情は、今でも忘れられないですね。すごく楽しく話そうとしてくれているのに、その時だけ表情が「しゅーん…」と。「何か言ったっけ? 自分」という表情にさせてしまったので、その方はきっとそれを覚えていると思うんですよ…。本当に申し訳なかった。

 

著者:岸豊

出典:マイナビニュース

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