軌跡

―三浦春馬さん―

2019-03-09「ダイイング・アイ」インタビュー

2019年3月9日 ダ・ヴィンチ ニュースの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

三浦春馬「大人になり、久々に共演する生瀬さんとのシーンはワクワクと緊張感がありました」

「いろんな先輩たちから、『連続ドラマWは勢いや情熱のある現場だから、いい経験になる』と言われたことがあって。それが大きな後押しになりました」

今回主演を務めたドラマ『ダイイング・アイ』のオファーがあった時の心境を、三浦さんはそう語る。この作品で彼が演じるのは、過去に交通事故を起こしながらも、その記憶を失った青年・慎介だ。

「もちろん、原作の面白さもありました。ミステリー作品の連続ドラマは経験がなかったし、記憶喪失という役もはじめて。純粋に役者としての興味がありましたし、大きなチャレンジになるなと思ったんです」

また、何より楽しみにしていたのは、江島を演じる生瀬勝久さんとの共演だったそうだ。

「生瀬さんとは、僕が10代の頃、『14才の母』や『ごくせん』で共演させていただいたんですよね。素晴らしい俳優さんであり、大先輩。大人になった僕が、その生瀬さんと芝居で向き合った時、“はたしてどんなレスポンスができるんだろう?”というワクワク感と緊張がありました。しかも生瀬さん演じる江島は、慎介にとって父のような存在であり、かつ、その関係が大きく変化していくという役どころで。そうした、展開の読めないヒリヒリ感と、久々の共演という緊張感が、うまく芝居にも反映されているのではないかと思います」

もちろん、自身の役の掘り下げにも余念がなかった。バーテンダーという役柄をしっかりと表現するために、プロのもとでその腕を磨いた。

「実際にカウンターに立たせていただき、カクテルを作る練習もしました。そうした経験は確実に役に活かされていると思います。また、今回は脚本家の吉田紀子さんが細かく役のバックボーンを書いてくださったんですよね。そこには原作にはなかったことまで書かれていて。例えば、主人公と両親の関係性といったことまで詳細に考えてくださっていたので、より具体的に慎介という男をイメージすることができました」

「“役をいかに表現するか”を考えたりする作業は好きですね」と三浦さん。そこで役立ったのが、今回のオススメ本として紹介してくれた『メソード演技』だ。

「これまで演技論を勉強する機会がなかった僕にとって、すごくためになった一冊です。この本にも書いてあるんですが、『陽の光が顔に当たっている』ということを表現するとき、顔のどの部分に一番温もりを感じているのか、また、どんな風が吹いているのかということまでしっかりと考える。そうやって、自分がいる環境を細かく丁寧に想像することが、心の表現につながっていくんです。初めて読んだ時は、“なるほどな。自分にはまだ出来てないな”って勉強になりましたね」

こうした努力は決して人を裏切らない。事実、今年の活躍をみても、今回の『ダイイング・アイ』の出演のほか、舞台ではドストエフスキーの『罪と罰』で主演を務め、4月からはミュージカル『キンキーブーツ』への再演が控えている。

「映像と舞台の両方をやらせてもらえているというこの状況を、とてもありがたく思っています。僕にとってはどちらも同じぐらい大切な現場で、それぞれで得た経験が互いの仕事に良い影響をしている。本当に幸せな環境だと思いますね。ただ、贅沢をいうのなら、日本人の演出家によるストレートプレイにも出てみたいなと思っています。というのも、実はまだ経験がなくって。以前出演した<地球ゴージャス>や<劇団☆新感線>もミュージカルに近いですし、ストレートプレイ作品はフィリップ・ブリーンが演出した『地獄のオルフェウス』と『罪と罰』だけなんですよね。ですから、こんな僕に興味のある日本人の演出家がどこかにいないかなと思っていて。ものすごくやる気があるので、声をかけていただけることを期待しています(笑)」

 

取材・文:倉田モトキ 写真:山口宏之
ヘアメイク:倉田明美 スタイリング:池田尚輝

出典:ダ・ヴィンチ ニュース

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