軌跡

―三浦春馬さん―

2018-11-20「tourist ツーリスト」レビュー

2018年11月20日 PlusParaviの配信
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以下、配信記事より

三浦春馬の色気が漂う『ツーリスト』女性が夢中になるその魅力とは?

三浦春馬という俳優の魅力を嫌というほど感じまくり、胸がキュンキュンする。現在、パラビで配信中のドラマ『tourist ツーリスト』を一言で表すとそんなドラマだった。今回は、本作が女性から支持される理由を女性目線で分析していきたい。

本作は、第1話をTBS、第2話をテレビ東京、第3話をWOWOWと史上初の3局をまたいで放送したオムニバスドラマ。悩みを抱える3人の女性が、旅先で出会ったミステリアスな男性・天久真(三浦)との交流を通じて、本当の自分を見つけ出す姿を描く。第1話に水川あさみ、第2話に池田エライザ、そして第3話に尾野真千子が主演し、三浦演じる真とのひと時を紡ぎあげる。

本作を語る上で欠かせないのは、何と言っても、3話すべてに出演する三浦の魅力だ。三浦といえば、4歳の頃から子役としても活躍し、数々のドラマや映画で注目を集めてきた俳優だ。2006年、ドラマ『14才の母』では中学生の彼女を妊娠させてしまう少年役を演じて話題に。2008年にはドラマ『ブラッディ・マンデイ』で連続ドラマ初主演を果たす。さらに、2007年公開の映画『恋空』で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、2014年にはドラマ『僕のいた時間』で第51回ギャラクシー賞個人賞を受賞、2017年には舞台『キンキーブーツ』で第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞するなど、輝かしい経歴を誇る。

爽やかさの漂う正統派のイケメンで、スラリとしたスタイルを持つ三浦は、とにかく真っ直ぐな青年がよく似合う。一途にヒロインを思い続ける姿は、それだけで絵になるほど。近年は『キンキーブーツ』でのドラァグクイーン役など、様々な役柄にも挑戦し、芝居の幅も広げ、役者として一回りもふた回りも大きく成長している。

そんな三浦が本作では、つかみどころのない、ふわふわとした男性を色気たっぷりに演じている。例えば第1話の水川とのキスシーン、第2話の池田との試着室でのシーンなど、ふと見せる表情に「これほどセクシーな俳優だったのか」と驚いたほど、本作での三浦は"大人な男の魅力"に溢れている。フェロモンだだ漏れといっても過言ではないほどだ。

そして、アドリブとも思わせるような自然な会話も魅力的。三人の女性と、まるでプライベートを覗き見てしまったかのようなやりとりが続き、キュンキュンが止まらない。

さらに、3人のヒロインそれぞれに合わせた、真の対応の違いにも注目してもらいたい。水川演じるさつきと対する真は、どこか突き放したようなセリフを吐く憎たらしい男に見え、池田演じるホノカの前には積極的で危険な匂い漂う男として現れる。尾野が演じるカオルの前では、カオルの心にひたすら寄り添うように、ただ静かにそこにいて、見守ってくれる男になる。人は、付き合う相手によって自分の違った一面を見せるものだろう。だからこそ、この真の三面性ともいえる性格の違いは、リアルさを引き立たせる。そして、「自分の前ではきっと自分が望んでいる男性でいてくれる」と私たちに夢を持たせるのだ。

そんな三浦の姿、そして三浦が演じる真の姿を堪能するならば、パラビで配信中の「天久真バージョン」の視聴をオススメしたい。真の目線で物語が展開されるため、より真の心情が浮かび上がるだけでなく、三浦の演技も存分に堪能できる。

一方で、登場する女性たちの人物像にも新しさを感じさせる。

第1話に登場するさつきは、テレビ局のドラマプロデューサーという仕事に疲れ切って、バンコクを訪れる。男性と対等に渡り歩き、会社のため、スムーズに仕事を進めるために自分の信念を曲げ続けたさつきは、自分を見失ってしまっていた。「死ぬ」ために訪れたはずのバンコクでも、部下からの電話を受けてしまい、仕事から離れることもできないでいる。そんな彼女の姿は、今どきの働く女性の一面を表していて、思わず我が身を振り返ってしまう。仕事に疲れているのに、仕事こそが生きがいで自分の存在価値であると信じているさつきは、見ていて心が痛くなるほどリアルだ。

第2話の主人公ホノカは、恋愛至上主義で苦しい恋愛ばかりを重ねてきた女性だ。そんな自分を変え、"幸せ"を掴むために、今までとは全く違うタイプの男性と付き合い、結婚を目前に控えて、独身最後の思い出旅行で台北を訪れる。「恋愛と結婚は別物」という言葉は、昔からよく言われる言葉で、実際にそれを実践したからこそ幸せを掴んだという女性もいるであろう。しかし、そううまく割り切れない女性もいる。ホノカも、その一人。頭ではわかっている。けれども、どうしてもスリリングな恋に未練が残る。そんな時に、真に出会い、衝動のままに突き進んでしまう。実際に、ホノカのような行動には出なくても、"冷静な判断のもとの男性選び"と"感情に流されて選ぶ男性"の間で揺れ動いたり、未練がいつまでも残ったりすることに共感する女性も多いのではないだろうか。

そして、第3話では、離婚調停中の夫が愛人と旅行することを知ってベトナムまで追いかけてきた、カオルが登場する。カオルの胸のうちもまた、複雑だ。夫を取り戻したい、夫をまだ愛しているという思いは画面を通してもヒシヒシと伝わってくるものの、プライドが邪魔をして素直にもなれない。ましてや、夫は戻る気など全くなさそうなのだから、醜態も晒せない。どうすることもできず、一歩も前に踏み出せなくなった女性の姿がそこにはある。

リアリティーに溢れたキャラクター像は、まさに現代に「よくいる女性」たち。そんな彼女たちが、胸に迫る痛みと焦燥感を伴った悩みを抱え、人知れず苦悩している。その姿を自分に重ねて観るのもまた、本作の楽しみ方の一つだ。このヒリヒリするような女性の内面をより深く体感したいならば、パラビで放送される「フルバージョン」をご覧いただきたい。

 

出典:PlusParavi

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