軌跡

―三浦春馬さん―

2018-11-14「こんな夜更けにバナナかよ」完成披露試写会

2018年11月14日 ムビッチの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

【全起こし】大泉洋佐藤浩市にダメ出し「撮影なのにゴルフかよ」映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』完成披露試写会レポート 全文掲載

大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した、渡辺一史による書籍「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」の実写化となる、大泉洋主演、高畑充希三浦春馬共演の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が12月28日より公開となる。このほど、11月12日に丸の内ピカデリー1にて完成披露試写会が行われ、舞台挨拶にキャストの大泉洋高畑充希三浦春馬渡辺真起子竜雷太綾戸智恵佐藤浩市原田美枝子、前田哲監督が登壇した。ここでは、本イベントの模様を全文掲載でお届けする。

MC:それではご登壇いただきましょう!映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』キャストと監督の皆さんです!

(スタッフからマイクの代わりにバナナを渡されて登壇した大泉)

MC:本日は豪華9名のキャスト、そして監督にご登壇いただきました。あれ?大泉さん、どうされました?

(大泉が話し始める前に、スタッフがバナナをマイクと取り替えて)

大泉:あの…。ものすごい目立たない小ボケをかまされまして。私が舞台に上がって行く時に渡されたのは本物のバナナでした。

MC:ちょっと手違いがありまして…。

大泉:ええ。このタイミングでマイクと替えられるんだったら、本当にいらないボケですよね。(会場大爆笑)バナナを持ってしゃべりだすぐらいのことは考えていたわけですけど、このタイミングは本当にやめてほしかったな。全然わからないですね…。これ、テレビにものらないですよ!?このタイミングで替えちゃったら。

三浦:もう一回、バナナいきます?

(スタッフが壇上に駆け上がり、大泉にバナナを手渡す)

大泉:え、いや、このタイミングはもっとわからないぞ!
このタイミングは!もっとわからないぞ!(スタッフに)なんだ、君は!名前は何ていうんだ!?

(会場大爆笑)

大泉:いやあ…、ダメな小ボケでした…。

MC:いろいろ手違いがございまして、すいませんね(笑)。

大泉:手違いっていうか…。すごい、佐藤浩市さんが冷たい目線で見ていますけど。

佐藤:どうせなら、ずっと持ってろよ!

大泉:いやいや、面倒くさいんですよぉ。すぐ、こうやって重鎮が怒ってくるし…。進めてください、もう…。

MC:では早速、ひと笑いあったところでご挨拶をいただきたいと思います。

大泉:「ひと笑いあったところで」って…。馬鹿にするなよ!?

(会場爆笑)

MC:(笑)、今日は、本作のタイトルにちなんで、皆さんおそろいの黒い衣装にバナナの黄色ということで。

大泉:原田さん、どこか黄色入ってますか?

原田:入ってますよ(笑)。

大泉:あ、そこね。ごめんなさい、入ってました。ウチのお母さんも真っ黄っ黄ですからね。

綾戸:絶対、黄色を着てこい言うから、「バナナに見える服ちょうだい」って。

大泉:百貨店で買ってきたのね(笑)。

綾戸:こうてきた。初めて人生で黄色いのを着せてもらった。ありがとう、監督。

前田:お似合いです(笑)。

MC:それでは早速、一言ずつご挨拶をいただいます。まずは、重度の「筋ジストロフィー」を患い、身体で動かせるのは手と首のみでありながらも、病院を飛び出してボラ(ボランティア)たちと自立生活を送る主人公、鹿野靖明役を演じました、大泉洋さん、お願いいたします。

大泉:小ボケで始まりましたこのイベントですが、たくさんの一般の方に見ていただくのは初めてなのかしら?大変緊張しております。関係者の方にはたくさん見ていただきまして、評判がいいので、皆さんがどう思っていただけるか、鹿野靖明さんという方のわがままを、見終わった時に皆さんがどう思われているのか大変楽しみであります。ぜひ、楽しんでいってください。よろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございました。続いては、最初は反発しながらも、よく理解者へと成長していく新人ボラの美咲を演じました高畑充希さん、お願いします。

高畑:皆さん、こんばんは。高畑充希です。この間、この映画が完成して見ることができて、美咲という役がお客さんの目線のような役なんですけど、最初は鹿野さんのわがままにコノヤロウ!と思うかもしれませんが、映画が終わる頃には鹿野さんのことが大好きになっていると思います。今日はぜひ、ゆっくり楽しんでください。

MC:その美咲の恋人で悩める医大生ボランティア、田中を演じました三浦春馬さん、お願いします。

三浦:皆さん、こんばんは。三浦春馬です。本日はご足労いただいて、ありがとうございます。北海道で丁寧に作ってきた作品が皆さんの元に届けられるということで、すごく嬉しく思っております。そして力を持った素晴らしいキャストの皆さんと、一本の作品に携われるという幸福感でいっぱいです。楽しんでいってください、よろしくお願いいたします。

MC:続きまして、気さくな性格で慕われるベテランのボラ、貴子を演じました渡辺真起子さん、お願いします。

渡辺:渡辺真起子です。初めて作品がお客さんと出会う日なので、とても緊張しております。鹿野さんという稀有な、わがままで愛おしい人の、そして周りを取り囲んでいる人たちの優しい眼差しというか、おもしろい眼差しを楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございます。息子の靖明の自立生活を温かく見守る父、清を演じました、竜雷太さん、お願いします。

竜:よろしくお願いいたします。私はお母さんが、お母さんですので、黄色でお邪魔しました。お母さんに怒られないように、やらせてもらいました。お母さん、よろしく。ありがとうございました。

MC:そのお母さん、愛情を絶やさない母、光枝を演じました、綾戸智恵さん、お願いします。

綾戸:皆さん、ようこそおいでくださいました。60ぐらいになりますと、やっと親に言われたことがわかるようになりました。この映画で母親が言うてた、「自立いうのは、自分でズボンを履いたり、服を着たりすることとちゃう。本当の自立は自分がだれかと関わって、生きていくことや、生き抜くとやと。あれはわがままなんでしょうか?
私には見事に自分が生きる道を見つけて、しっかりと生きた映画かと思い、お母ちゃんが言っていたことが合っていたなと、毎日首を縦にぎょうさん振っています。主人をよろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございました。田中の父で、勉強よりもボラを優先する息子を苦々しく思っている病院長、猛を演じました佐藤浩市さん、お願いします。

佐藤:こんばんは。この、進行台本を書いた方に、大変申し訳ないんですけど、別に息子のことを苦々しく思っているわけではなくて、若干、息子の行く末を心配する、本当にどこにでもいる普通の父親をやらせていただきました。ぜひ最後まで楽しんでください。

MC:ありがとうございます。鹿野の主治医で厳しくも本気で身体を心配している医師、野原を演じました原田美枝子さん、お願いします。

原田:こんばんは。原田美枝子です。今日はありがとうございます。先生、御本人ともお会いしたんですけど、本当に可愛らしい先生で、鹿野さんのわがままを、わがままといっても心の叫びのようなものを、医者の立場からは大変な思いをして見守っていたんだなと思いました。すごくステキな作品に出来上がっていると思いますので、今日も最後まで楽しんでいってください。ありがとうございました。

MC:ありがとうございます。そして、本作の監督、前田哲監督です。お願いいたします。

前田:こんばんは。鹿野靖明さんという人の全力で生きた人生をどうしても映画化したくて、3年半かかりまして、皆さんに届けることができました。非常に嬉しいです。俳優陣の皆さんが、全力で演じてくれて、映画は豊かなものになっていると思いますので、ぜひ楽しんでもらえればと思っております。どうも、ありがとうございます。

MC:ありがとうございます。それでは映画にちなんだ質問をさせていただきます。まず、この映画のタイトルにかけまして、「○○なのに、○○かよ」の○○に当てはまるように、共演者や監督の意外だった一面など、エピソードを伺えたらと思うのですが。

大泉:(神妙な顔つき)

MC:なんか、表情があまりかんばしくない方たちがいらっしゃいますが…(笑)。

大泉:これは…、挙手でやるんですか?いよいよそうなると、「笑点」的なものになりますけど。できた人から手を挙げるんですか?

MC:大喜利な感じで(笑)。

大泉:これだと一向に進まない感じがあって。挙手ですか!?

MC:大泉さんは、もう整ってますか?

大泉:じゃあ、まあ…(手を挙げる)

MC:それでは大泉さん!

大泉:えー、それでは。「○○なのに、○○かよ」ということでございましてー、それではいかせていただきます~。「ランニングなのに、止まるのかよ」。これはですね、今回私の役というのが、あまり太るわけにはいかなかったということで、ダイエットをしていたワケですけど、撮影が北海道ということもありまして、美味しいものを食べてほしいので、共演者を連れてご飯に行くわけですけど、食べれば太ってしまうので、食べた後に、私はランニングをしていたわけでございます。私がランニングをしておりますと、三浦春馬くんが「私も走りたい」ということで、二人で走っていたわけですけど、するとなんかぁ高畑充希さんが「私も走りたい」ということで、じゃあ走りましょうということで走ったわけですけど、高畑さんは10メートルも走るとすぐ止まるわけです。ワーっと走ってすぐに止まるんです。ちょっと走ってはすぐに止まる、そのペースに着いていくのが大変だったという気持ちを込めまして、「ランニングなのに、止まるのかよ」とさせていただきました。ありがとうございます。

(会場拍手)

大泉:全然長く走ってくれなかったよな。

三浦:そうなんですよ。

高畑:すいませんでした!

大泉:がんばってそこは走りなさいと。辛いところを乗り切れば楽になるからというんですけど、止まるんです。

高畑:そうですね…。かなりマイペースなランニングに二人が付き合ってくれて。二人はめっちゃ優しいです(笑)。

大泉:困りますね〜。

高畑:すいませんでした(笑)。大泉さん、10キロとか走ってましたから。

大泉:最後の方は10キロ走れるようになってましたからね。

高畑:「Runner」をかけてね(笑)。

大泉:そうなんです。三浦くんが爆風スランプの「Runner」を携帯でかけるんですよ。

三浦:そうなんです。大泉さんが「そろそろ疲れてきた、春馬DJになってくれ」と。いきなりおっしゃったんです。なので、どうしようかな、これだったら元気よく道を引き返せると思ってかけたのが、爆風スランプさんの「Runner」でした。

大泉:だから僕たちは「走る〜走る〜」って聞きながら走っているわけですよね。そうすると、たまに向こうから走って来る人達がいるんですよ。ものすごい恥ずかしくて、「馬鹿か?」的な顔で見られるのでね(笑)。恥ずかしかったです(笑)。

(竜が挙手)

大泉:おっっと!大御所が参りますよ!

竜:「車椅子なのに、元気かよ」。実は、私も若い頃は元気でありまして、元気な頃にこうやっておしゃべりを頼まれる機会がありますと、「健全な精神は、健全な身体に宿る」などと生意気なことを言っておりました。ある時、友達が私のところに来まして、「健全じゃない身体にも健全な精神は宿るんだよ」と言われました。その時に、私はなんて傲慢なことを言っていたんだろうと思って、それ以来、この言葉はやめにしております。その彼は身障者の方のお手伝いをしていたんですけど、なんて傲慢だったんだろうと。健全ではない身体にも健全な精神は宿るんだと、またこの映画で教わりました。ありがとうございます。

大泉:素晴らしい。すげえな、やっぱり。

MC:とてもステキな言葉をいただきました。ありがとうございます。他に整った方?

(佐藤が挙手)

MC:佐藤さん!お願いします。

佐藤:前田監督とはですね、助監督の時から知り合いだったので、普段は「哲、哲」って呼んでいるわけなんですけど、さすがに「監督なのに呼び捨てかよ」(笑)、そういうわけにはいかないから、現場では「監督」とか、「哲ちゃん、ここはさあ」とか、気をつけたんだけど、すぐに「哲!」って出そうになっちゃうんですよ(笑)。それを抑えて現場にいるのが大変でした。

MC:監督、やっぱり長年のお付き合いが。

前田:もう長いお付き合いなので、僕は違和感がないんですけど、スタッフが動揺するんで(笑)。僕は付き合いが古くて、違和感なく何でも話し合える方なので、本当に今回、出ていただけてありがたいです。今回、旭川に来ていただいたんですけど、ゴルフに来たのか、撮影に来たのか…(笑)。

佐藤:いいからさあ…(笑)。

大泉:まさに私もそれが言いたかったんですよ。「撮影なのにゴルフかよ」

(会場爆笑)

大泉:浩市さんは、撮影の前乗りをしてゴルフをして、次に日一日撮影をして帰りにまたゴルフをしてるんです。浩市さんがゴルフをした日だけ晴れてるんです。肝心な撮影の日は雨降ってるんです。で、言った言葉が「やっぱ、俺流石だよな〜。俺はやっぱりさすがだと思ったよ」って。

佐藤:手を挙げなきゃ良かったよ…。

大泉:本当に何をしに来てるのかわからない。

MC:北海道はいろいろなことができますからね。

大泉:夏の北海道の撮影だから来てくれたんだと思うんですよね。「ゴルフできるな」って(笑)。

MC:なるほど、楽しそうで、和やかな様子がよくわかります。他に、どなたか?おっ、お母さん。

綾戸:お父ちゃんが言ったので私も。

大泉:お母ちゃん、大丈夫?趣旨わかってるか?

綾戸:大丈夫、大丈夫。あのね、「監督なのに言葉をひっぱる」。今回、私としては北海道弁が大変でした。で、上手いこと教えてくださりますねん、息子が。「『あんたんでないよ』がいいよ、お母さん」って。「あなたのじゃない」っていうのをね。「あんたのとちゃうわ!」って言ったら、「『あんたんでないよ』がいいよと」。

大泉:ボランティアのために。おいなりさんを持ってくるんですけど、「いいから帰れよ」って言った後に「あんたんでないよ」と北海道弁で言うんですけど、お母ちゃん、大阪弁しかしゃべれませんから(笑)。

綾戸:どんなドラマ撮ってても、二週目から関西弁に変わってますから。

(会場爆笑)

綾戸:一週目は「そうなのよ」って言ってるのに、二週目から「なんでやねん!」って言うてるから。大阪弁が強いですけど、今回はほんまの話やったさかい。音楽やってるから、ドレミでなるべく「あ、ん、た」「ミ、ソ…」ってやってたんですよ。そしたら監督が、「せやで!綾さん、『あんたんでないよ』やで!」って、また引き戻すんですよ(笑)。せっかく北海道のリズムが、この強い大阪弁のおっさんに引き戻されるんです。

大泉:しかも、あの人、自分がなまってると思ってないらしいですよ。

綾戸:自覚症状がないねん。

前田:そんなになまって…

綾戸:なまっとるわ!あんたと二人でしゃべったら漫才になるから、やめてくれ。でも、竜さんがもともと大阪出身で、役者さんが長いとちゃんと言葉を直しはって偉いなと思って。直さなくっちゃ、くっちゃと思ってました(笑)。

大泉:なんでくっちゃ、くっちゃ言ったの(笑)。

MC:ありがとうございます。原田さんは、撮影の思い出などありましたらぜひ。

原田:申し訳ないぐらい短い期間でしたので、すいません…(笑)。

大泉:なしですか!? まさかの(笑)。どっか遊びに行ってたでしょ!? 先生とドライブに行ってたじゃないですか!?

原田:そうですね(笑)。

大泉:話すのが面倒くさいだけじゃないんですか!?

原田:いやいや、邪魔しちゃ悪いなと思って(笑)。

大泉:あのー、だいぶ楽しんでいらっしゃいました。富良野へ行ったんですか?

原田:そうです(笑)。ごめんなさい(笑)。

大泉:先生のモデルになった方とね。

原田:なんと札幌から富良野まで車を運転してくれたんです。「北の国から」というドラマに出ていたんですけど、何十年ぶりに富良野を訪ねちゃいました。ごめんなさーい(笑)。

大泉:いや、いいです、いいです(笑)。二回もゴルフしてる人がいるんですから。富良野行くぐらい、全然問題ないですよ。

佐藤:休みの日は何やってもいいんですよ!

(会場爆笑)

MC:高畑さんは、何か思い出はありますか?

高畑:撮影中、編み物にハマっていて、ヘアバンドを編んでメイクさんに渡したりしてたんですけど、萩原聖人さんが麻雀が強いんですよね。プロですよね。萩原さんが「充希ちゃん、俺にもヘアバンドを作ってほしい。イイ感じにダサいの作って」と言われて。すごく考えて、若干睡眠時間も削って作ったんですよ。「絶対王者」って刺繍して(笑)。

大泉:イイ感じっていうか、すごくダサかったよね(笑)。イイ感じは通り越してたよね。

高畑:(笑)、でもすごく喜んでくださって、手渡して、撮影が終わって初めての試合にそれをつけて出てくれたんですけど、負けていて…(笑)。

大泉:まあ、負けるでしょうね、絶対王者じゃね…。

高畑:「せっかく作ったのに負けるのかよ!」と思いました(笑)。

MC:ありがとうございます! 本当におもしろいエピソードをたくさん聞かせていただきありがとうございます。最後に、締めの挨拶を主演の大泉洋さんにお願いしたいと思います。

大泉:ありがとうございます。このように、大変楽しいキャストの皆さんと過ごした一ヶ月でございました。『こんな夜更けにバナナかよ』というステキなタイトルで、一体どんなお話なんだろうと、私も興味を持って台本、原作を読ませていただいたのを覚えております。鹿野さんという人がなぜそこまでのわがままを言ったのか、鹿野さんが目指していた社会といいますか、ルールになればいいという思いも込めて、見終わった後に何か伝わるといいなと思います。見終わった後に、このタイトルが皆さんの中でどう生きてくるのか、楽しみにしていたいと思います。ぜひ、おもしろければ友達にお伝えください。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

MC:ありがとうございました。

 

出典:ムビッチ

 

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