軌跡

―三浦春馬さん―

2017-12-17「オトナ高校」インタビュー

2017年12月17日 ABEMA TIMESの配信※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

つまらないプライドは必要ない 三浦春馬が『オトナ高校』で学んだこと

12月9日に最終回を迎えた土曜ナイトドラマ『オトナ高校』(テレビ朝日系列)のスピンオフ作品『オトナ高校スピンオフ~炎上のチェリークリスマス~』が12月17日夜10時よりAbemaTVで放送されることが発表された。同ドラマは、性体験がない30歳以上の男女が入学させられる「オトナ高校」を舞台にした不器用なオトナの学園ドラマで、主演を務めたのは三浦春馬。東大卒のエリートでありながら、実は童貞(!)という主人公・荒川英人(通称“チェリート”)を熱演した。

最終回で一人だけ“卒業”できなかった英人だが、『オトナ高校スピンオフ~炎上のチェリークリスマス~』で描くのはクリスマスシーズンを迎えたその後の話。クリスマスイブ目前の12月23日。オトナ高校のエロ小悪魔教師・姫谷さくら(松井愛莉)が誘拐されるという事件が発生。オトナ高校にまつわる国家機密の奪取を目論む“国際テロリスト”の仕業と思われる、この事件。英人は「彼女を救出すれば、国民のヒーローになって、さくらちゃんと結ばれる!」と、根拠なき妄想を膨らませ、仲間たちと救出作戦に燃え上がるが……というクリスマスイブの冒険スペクタクルドラマだ。

主演を務める三浦はどのような思いで、この個性的な役と『オトナ高校』シリーズと向き合ったのか、そして何を得たのか。話を聞いた。

■役作りはエリート会社員の友人に相談「飲みの席では大体、出身校の話にはなるよ」

——かなり個性的な役柄でしたが、演じていて難しいと思ったところ、逆に面白いと思ったところはありますか?

三浦:英人は「東大卒のトップバンカーのエリート」にもかかわらず性経験がないという男。コントラストをどうやって付けていけばいいのかな、というところで悩みました。今までこれだけ特徴のあるキャラクターに挑戦してきたことがなかったですから。

友人に銀行員ではないんですけども、保険関係を扱う人間がいまして、彼自身のエリート観だったり、彼らが飲みの席で話すようなことを教えてもらいました。全ての人がそうではないとは思うんですけど、「飲みの席では大体、出身校の話にはなるよ」みたいな。(笑)そこでキャリアについて自信を持って話せる人もいれば、そうでない人もいたりして。いい大学を卒業していい専門職に就いて「エース」と言われているような人の立ち振る舞いは、自信があるからなんだろうねって。胸を張っているよねって。やっぱり僕たちと普通に話していても、どこかビジネス口調だったり。そういうところはあるよねっていう話を参考にして、役を作っていきました。
この作品特有のモノローグのシーン。『ピンク英人』と呼ばれる脳内の英人が語り出すシーンがあるのですが、普通の英人を演じているときと振り幅がありました。

しかも、『ピンク英人』のようなスタイルで撮影したこともなかったので。あれって実は1時間くらいで、その話の全部の『ピンク英人』を一気に撮っていくんです。全部の台詞を入れてなきゃいけないし、どう動くかっていうのもイメージしておかなきゃいけない。僕らからすると緊張の1時間なんです。

だから、その1時間は、試合に臨むような…ちょっとした格闘技に挑むような心積もりでした。

1話はそのシーンがかなり多かったんですけど、それを乗り越えた後には、「あ、こういうことだな」とすごく思いました。2話からは自信を持って英人というキャラクターを作りやすくなったんです。

——印象に残っているシーンはありますか?

三浦: 3話で「僕は童貞です!童貞です!童貞なんです!」と公園で叫ぶシーンです。英人としても一歩、本当に大きな大人への階段を上った瞬間だと思いますし、僕自身、キャラクターを本当につかみ始めたのはその辺りなんじゃないかと思っています。荒川英人、そして『オトナ高校』の色が固まったシーンです。

——周りからも、あのシーンに対する反応は良かったですか?

三浦:いや。実は僕の周りで「面白いよね」とは言ってくれる人はいるんですけど、細やかに伝えてくれる人がいなくて。さみしかったです。(笑)

——保険会社の友人の反応は?

三浦:彼からの感想は「面白いやん」だけ。(笑)でも、それでいいんです。本当に。(笑)
これは自信を持っているからでしょうね。自分たちのチームとして、現場で自信を持って楽しんで撮影できているって思えるから、「面白いね」って言われると、本当にスッと入ってくる。自画自賛に聞こえがちだけど、それぐらい現場で色々なものを得て、高めてもらっている自分がいたので。だからもう「面白いね」って言われるだけで、素直にうれしかったですし、満足でした。

■キャスト同士で展開を予想「この人とこの人はくっつくでしょ」

——現場の雰囲気がすごく良かったとお伺いしました。どのようなお話をされていましたか?

三浦:僕も含めて皆さんが口をそろえて言っていたのが、台本が出来上がってくるのがすごく楽しみだったということ。もちろん現場でプライベートな話もするんですけど、台本の展開だったり、(役の)誰が誰を狙っているっていうことで盛り上がったりすることがたくさんありました。本の力というのを皆さん感じていたのだと思います。本の力が大きいと、みんなやる気出ますし。(話の展開を)予想し合ったりもしました。何ならプロデューサーに「この人とこの人はくっつくでしょ」とか、みんなで言っていました。答えをせがんだりして。
一体感みたいなものを、おのおのが感じられた現場だったのじゃないかなと思います。

松井愛莉は「かなり努力していました」

——キャストの中で役とのギャップが大きかったな、と感じた人はいますか?

三浦:一番のギャップは、さくら(松井愛莉)なんじゃないかな。「真逆」って自分でも言っていましたし。彼女とは事務所も同じなのですが、あのキャラクターを演じるにあたって、かなり努力していました。近くにいるからこそ、時折もがいている姿も目にしました。監督の瑠東さんにアドバイスをもらったり、以前にも増して真面目に「さくら」というキャラクターをつかみにいっていたと感じました。でも、徐々に胸を張って役どころを演じているなというのも思いました。1話から8話にかけて、そしてスピンオフにかけて、自信を持ってきているのだと思います。
あと、城田優君も結構ギャップはありますよね。普段は王子とは全然違うから。(笑)城田君は現場のムードメーカー。どこへ行っても多分そうです。それでいて真面目なんです。

■誰にだって愛される要素はある…『オトナ高校』から学んだこと

——英人という役に対する思い入れはありますか?

三浦:思い入れはすごくあります。近くにいる人たちも、すごく英人というキャラクターを好きだと言ってくれますし。何よりも、現場の方だったりプロデューサー、監督が、少しのワンアクションを求めてくれるんです。やっぱり求められるということは、すごく幸せに思うし、とてもやりがいを感じる瞬間です。現場で英人としていれる瞬間は、とても高揚感を味わえますし、それこそ愛着を感じる瞬間でもあります。

——英人から学んだことはありますか?

三浦:このドラマでは脚色によって分かりやすく見せていますが、人間は皆つまらないプライドを持っているんだと思います。だけど、そんな部分を少し和らげたり、誰かのために折ってあげるとその先に、今まで、感じたことのない幸福感が待っているんだと思いました。自分しか守れないようなつまらないプライドは、必要ないんだろうなと思います。

たまに出ちゃうのは当たり前で、人としてしょうがないと思うんですけれど。でも、時にはやっぱり考えてあげて。間違った自尊心になっている可能性があるかもしれないじゃないですか。自分が「あのとき折れといてよかったな」と思えるのであれば、それはいい選択だったと思う。そんなことを『オトナ高校』、そして英人にすごく考えさせられました。
あと、スタッフも言っていましたけど、「英人はやっぱり愛らしいね」って。もう、ここまで来ちゃうと。(笑)

もしかしたら自分でも、全然表情には出してなくても、心の中では他人をさげすんでいたっていうこと、一瞬はあるはずだと思うんですよ。「何言ってんだか、この人」、みたいな。ただ、そんな嫌な思いを持った人も見守り続けてあげるとこんなにかわいい、いたいけに思えてくるんだって。やっぱり皆が皆、一生懸命生きているし。好かれる要素だったり愛される要素は、絶対に皆が持ち合わせているんだろうなと思います。

——三浦さんにとって、この『オトナ高校』はどのような作品ですか?

三浦:言ったらきりないんですけど、開けるといろいろなおもちゃが飛び出してくる宝箱のような、おもちゃ箱のような、そんな作品でした。ただ面白だけじゃなくて、しっかりと今までの自分と向き合わせてくれるような作品でした。おもちゃ箱のような、自分を高めてくれるような、そんなマジックボックスでした。本当に面白かったです。

——『オトナ高校スピンオフ~炎上のチェリークリスマス~』に向けて、読者にメッセージをお願いします。

三浦:卒業しグレードアップしたオトナたちと英人がクリスマスに何を引き起こすのかっていうのは、多分、皆さまの予想をはるかに上回っていくと思います。「えっ、そんなところにトライアルしていくの?」と。

そして、クリスマスにどう過ごすかなんて人それぞれだと思うんです。英人みたいにクリスマスが嫌いだっていう人も、いらっしゃるはずです。なので、見ていただければどんな形であれ、この作品が元気の源になるような気がしています!

 

出典:ABEMA TIMES

 

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