2016年7月1日 舞台袖より愛をこめての配信
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以下、配信記事より
三浦春馬インタビュー(後編)☆『キンキーブーツ』日本公演
出典:舞台袖より愛をこめて
ローラ役は三浦春馬のターニングポイントに
――三浦さんがローラという役に惹かれたのは?
2013年にニューヨークで『キンキーブーツ』を見たときに、客席で立てなくなるくらいの衝撃を受けたんです。素晴らしい楽曲を歌いこなしているビリー・ポーターがカッコいいとかセクシーなだけじゃなく、哀愁もあって。幹の太い人間像がそこに見えたんです。自分もこんな素晴らしいストーリーの中で存在感を発揮して、こんな歌が歌えたら……と瞬時に憧れてしまった。ローラの世界の虜になった一人なんでしょうね。だから、日本人キャスト版の公演があるなら『ローラ役がやりたい』と自分から手を挙げたんです。実際、自分で『やりたい』と言わなければ、僕がローラ役になることもなかったと思います。
――そこまでの思いを持っているローラ役。今回のLAの旅で「自分はローラになれる」という確信につながりましたか?
そうですね… 当時の自分の実力は置いておいて、最初に見たときから「ローラをやる」とずっと思っていたんです。なんだか、初めからそう決まっていた気もします。
――三浦さんがやりたいと思ったのは、ミュージカルだから? それとも作品の内容に惹かれてということなんでしょうか?
ミュージカルだからだと思います。楽曲の力強さがあるし、あれだけのキャラクターを歌と踊りを通して表現できることに魅力を感じたんです。
――三浦さんが感じる『キンキーブーツ』という作品の魅力は?
やっぱりローラを軸にして考えてしまうんですが、ローラは魅力的で、パワーがあり、この作品の本当の意味でのヒーローですよね。でも、彼の心の奥にはコンプレックスや父親に受け入れてもらえない悲しみがあって。そんな彼の内面を、言葉にして表さなくても素敵なナンバーと共に届けてくれるんです。自分の身近な人との間で『あのとき、素直になれなかったけど、心の底では憎んでなかったんじゃないか』『仲直りできてなかったけど、切ないよね』という気持ちを持つことは、僕も含めて誰しもあることだと思うんです。華やかでキラキラした作品の中でもこういう普遍的な思いをきちんと届けてくれるのが『キンキーブーツ』のよさだと思いますね。
――三浦さんはこの後、単身ニューヨークに行って、『キンキーブーツ』のためのレッスンを受けてくるそうですね。
シンディ・ローパーさんの専属トレーナーの方にご指導いただく予定になっています。前もご指導いただいたんですが、レッスンを始めたら「変わったわね」と言ってもらえたら嬉しいなと思います。
――いい経験ができそうですね!
一人でニューヨークに1か月もいるのはもちろん初めてです。自分の何が生かせるのか、どういうところが強みとしてローラ役に発揮できるのか、ニューヨークにいる間に考えていけたらと思います。
――ローラは三浦さんのターニングポイントになりそうですね。
そうなるんじゃないでしょうか。いや、なりますよ!……あっ、言っちゃった(笑)
――私もそう確信しています。ありがとうございました。
三浦春馬さん密着取材を終えて
3日間の取材や移動の合間に三浦さんと会話を交わす機会があったのですが、三浦さんが目を輝かせながら『キンキーブーツ』、そしてローラ役への思いを語ってくれたことがとても印象的です。
ニューヨークでビリー・ポーターさんから貴重なアドバイスを受けたことも教えてくださって「ビリーさんと一緒に撮った写真を携帯の待ち受けにしてるんですよ」と言ったときの嬉しそうな表情が忘れられません。
芝居、演劇に対してとても真面目で、向上心がある人。いろいろなものを受け入れて、自分から変わっていきたいという気持ちを持っている方なのだなと感じました。
私はブロードウェイでオープンした当時の『キンキーブーツ』で、オリジナルキャストのビリーさんのローラを観ています。三浦さんがローラ役をとても深くとらえてらっしゃるのが今回の一連の取材から伝わってきて、きっとビリーさんともワールドツアー版のジェイさんとも違う、「三浦春馬さんだからこそ演じられるローラ」を見せていただけると確信し、期待がますます高まりました。
空港での別れ際、三浦さんが取材陣とスタッフに最後に残した一言は、
「またお会いできますように」。
その瞬間、空港に爽やかな風が吹き抜けました。
取材・文 / 演劇ライター・大原薫さん
→Vol.5 三浦春馬『キンキーブーツ』LA公演初日レッドカーペットに登場
→三浦春馬インタビュー(後編)
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