軌跡

―三浦春馬さん―

2014-10-02「真夜中の五分前」イベントレポート

2014年10月2日 「真夜中の五分前」公式サイトの配信
※配信元は閉鎖済です
※ブログ投稿日は、初回のレポート配信日で設定

 

2014.10.02
第19回釜山国際映画祭オープニング

今年で第19回を迎える釜山国際映画祭のオープニングレッドカーペットに、行定勲監督と主演の三浦春馬さん、共演のリウ・シーシーさん、チャン・シャオチュアンさんが揃って登場しました!レッドカーペットに降り立ち4人が揃うと、拍手と歓声が一気に沸き立つとともに、世界中の報道陣からの大量のフラッシュに迎えられました。そしてレッドカーペットで笑顔で手を振る登壇者に、観客のみなさんから大きな拍手と声援を送り続けられていました。

三浦春馬さんコメント>
この釜山国際映画祭にアジアの代表として、ここで、本当に多くの方にこの映画を届けられるということで、光栄です。

行定勲監督コメント>
「すごい熱気ですね。このメンバーと一緒にここに来られたことは、すごく嬉しいです。」

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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2014.10.03
ワールドプレミア上映@釜山

釜山国際映画祭オープニングイベントの翌日に、なんと5000人(!?)を収容できるという<映画の殿堂>にて本作のワールドプレミア上映が行われました!前日同様、4人が舞台に登壇すると会場は大きな歓声に包まれました!

行定勲監督コメント>
この映画は約7年かかって、ようやくここに戻ってこれました。上海で撮影されたものですが、日本を超え、国境を越えた撮影になりました。これは、人と人の愛の不確かさを描いた映画です。皆さんが見つめている<愛>がどういうものか、考えるきっかけになれば、嬉しいです。そして、この作品のワールド・プレミアをこの場でできることを光栄に思っています。

三浦春馬さんコメント>
この釜山国際映画祭に招待されて、とても光栄に思っております。この釜山はとてもエネルギッシュで、自分も元気をもらえる地です。この映画で、初めて中国語にチャレンジさせて頂きました。とても多くの時間を費やして一生懸命役になれるよう注いだつもりです。そして僕だけでなく、もちろん本当に大勢の人が多くの時間を費やして作った作品です。改めて自分の相手に対する愛の形というのを、この映画で一緒に考えて頂けたら嬉しいです。

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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2014.10.04
ティーチイン@釜山国際映画祭

10月4日(土)の上映後のティーチインに、行定勲監督、三浦春馬さん、リウ・シーシーさん、チャン・シャオチュアンさんが登場!209席の劇場は満席。質疑応答は、男女ともに熱心な観客が多く、テーマや役柄について深く突っ込んだ質問が飛び交いました。

Q:チャン・シャオチュアンのファンです。ティエンルンはとても現実的な選択をしました。愛が終わったと思った瞬間、彼女から離れていきました。実際、ご自身だったらどうしますか?

A:本当に愛しているんだったら、信じること以外に方法はないと思う。

Q:(監督へ)劇中で、時計を5分遅らせることが興味深かったです。5分遅らせるのは監督本人のアイディアですか?それとも、他の人からのアイデア

A:この映画には原作小説があります。その小説の中に、三浦春馬演じる主人公の昔の恋人が5分遅らせてるというくだりがあります。そこを中心に、脚本家と一緒に作っていきました。僕自身は、5分早めてます。遅刻しないですからね(笑)
でも、この映画では、(リョウたちが)遅刻しましたね、映画館に。(笑)でも、その5分遅れて過ごすというのは、僕は贅沢だと思うんです。人とはちょっと遅れてるんだけど、遅れた分だけ贅沢な時間を過ごすという欲張りに生きてると思います。すごく素敵だな、と思います。

Q:1人2役の演技に難しかった点は?

A:同時に2役を演じたのは初めてではない。しかし、これは心理的に疲れる。双子だけど別の人で、わずかな違い、微妙なニュアンスの違いを演じなければいけないという心配がありました。
撮影が終わったあと、しばらくは1人2役の演技はしたくないと話しました(笑)

Q:三浦春馬さんへ。実際、自分がリョウだったらどうしますか? 

A:僕自身があの状況なら、心のどこかでリョウと一緒で、もともと愛してた女性の影を追ってしまうと思うし、少しでもその可能性が提示されたら、好きだった彼女の方の可能性を高めていってしまうと思います。リョウにとって残酷な設定を監督は僕に提示してきたな(笑)と思いました。

Q:(監督へ)これの前の作品では伏線がとてもうまく表現されていたが、この作品の中での複線はあまり理解できないです。蝶や詩などの存在があまり伝わってこないように思いました。それは原作を尊重したから?それとも監督の意図ですか?

A:意識的にしたわけではないです。この話は簡単に言うと、ごく普通の青年が双子と出会い、1人がある事故が起きた、というだけなのに、そこに愛憎劇が生まれてしまう、その人間の愚かさを描くことを目指しました。ただ、ドラマチックな展開をあえて避け、説明を避けたのはあります。劇中にチョウが出てきますが、あれはモウリシャス・チョウで、教会のシーンで飛んでいます。以前、僕の映画で『春の雪』という映画で、チョウにいざなわれるように死に向かっていく主人公を描きました。チョウには幻想的な感じがあって、日常の中に迷い込むようなファンタジックな感じにしたいと思ったからです。

<最後にみなさんからのメッセージ>

チャン・シャオチュアンさん
この映画を好きになっていただけることを祈っております。映画を通して、愛についての想いを考えてみて頂けると嬉しいです。

リウ・シーシーさん
この映画では、今目の前にいる人の一体どんなところを愛しているのか、そして、あなたの恋は いったい何ですか? 自分の好きな人が、本当に自分の好きな人なのでしょうか? 今までの自分の認識を見つめてくれたら嬉しいです。

三浦春馬さん
リョウと同じように、結末が気になると思うのですが、それを含めてこの映画のテーマでもある、自分が相手を愛するというのはどういうことなのかを考えるきっかけになれば、と思っています。自分なりの哲学がきっと生まれると思います。

行定勲監督
釜山のお客さんは、常に掘り下げて映画を観ているお客さんだと思います。日本ではわかりやすさをプロデューサーたちが求める傾向にありますが、それは映画を見る楽しみを半分奪っていると思っています。なので、この映画では、分かりやすさを求めたわけではありません。国や個人の枠を飛び出して上海で撮影しました。これは、釜山でもソウルでもありうることだと思っています。自分の目の前の人の一体何を愛しているのか・・・ 僕みたいな年齢になると不確かなものになっていくんです。その不確かなものを描くために“映画”というものが存在している気がします。この映画を応援していただけたら嬉しいです。

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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2014.10.20
中国公開直前!北京記者会見

10月23日からの中国公開を直前に控え、三浦春馬さん、リウ・シーシーさん、チャン・シャオチュアンさんによる記者会見が北京行われました。ホテルの一番大きな宴会場には、約100社のマスコミに加え、キャスト3人のファン約200名が駆けつけ、盛大に行われました。

この作品のために約3ケ月強の期間中国語を勉強し、劇中の会話はほぼ全編中国語の本作とあり、会見場に入ってきた三浦さんは、流暢な北京語で「こんにちは。みなさん、三浦春馬です。お会いできて光栄です。今日はよろしくお願いします。」と挨拶。すると司会者の2人がそろって「発音がきれいっ!!」と大絶賛。中国人が聞いてもとても自然な発音に、司会者だけでなく詰めかけたマスコミ陣からも拍手が起こりました!

中国の記者会見は、日本のような静粛な感じとは全く違い、司会者は男女2名が立ち、トーク中にはバラエティ番組のような拍手の効果音や、雰囲気を盛り上げるツッコミのような効果音などの演出が入り思わず笑いが出てしまう楽しい演出が盛りだくさん。
司会者とリウ・シーシーさんから三浦さんに対し、中国で昔から伝わる古典的なプロポーズの言葉を教えたい、ということで漢詩「上邪(上雅)」の詩から引用した言葉をプレゼントされました。

「山無陵、天地合、即敢与君絶。」(意味:山の陵がなくなり(平らとなり)、天地が合わさったなら、はじめて私は君への想いを絶とう。)

この他、氷の彫刻にキャストたちが青い水を入れると公開日が浮かび上がる演出などもあり、サプライズ満載の楽しい記者会見“ショー”となりました。
21日からは行定監督も合流し、上海・広州・杭州と3地区をまわり、中国公開の成功へ向けキャンペーンを行っていきます!!

三浦春馬さん:

Q:中国語について

A:クランクイン3ヶ月前から北京出身の先生に、日本で中国語を習いました。そして上海に来て、上海戯劇学院の先生にクランクインの7〜10日前に習ったんです。実は同じ中国語でも、北京と上海の発音は微妙に違って…。上海にきた後、セリフをまた徹底的に直されたので、大変でした。難しいのは「日本(リーベン)」のRの発音でした。

現場ではシーシーとシャオチュエンの2人にも発音を何度か教えてもらいました。別荘の後の部屋のシーンで僕が「車、怒るよね?」というセリフがあるんですけど、先生にも言われたのですが、中国語で「車」(チャー)という発音はすごく基本的なんですけど、その発音がものすごく難しいんです。シーシーにもその場で教えてもらってなんとかなりました。

Q:上海での撮影はいかがでしたか?

A:「上海での挑戦」といえば、初めて電動バイクに乗ったことです。上海の緑生い茂る並木道を走るのは、すごく心地よかったです。普段日本ではバイクに乗ることがないので、とても楽しかったですね。

Q:三浦さんの印象はいかがでしたか?

リウ・シーシーさん:

「初めて会ったときに中国語で話されました。とても発音がいいと思いました。 リハーサル中や休憩中とか、本当に一生懸命中国語を勉強していたので、感心しました。それだけでもとても素晴らしいと思った。」

チャン・シャオチュアンさん:

「三浦さんとの共演は、俳優として学ぶものがありました。自分は物事を深く考えるのが好きじゃないのですが、三浦さんを見ていると、役に対して深く思考して、役作りをする点は、非常に学ぶべきところだと思いました。」

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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2014.10.24
中国公開直前!上海記者会見

上海のインターコンチネンタルホテルにて、三浦春馬さん、リウ・シーシーさん、チャン・シャオチュアンさんによる記者会見が行われました。
三浦春馬さんは、撮影以来初めて戻ってきた上海のマスコミとファンの皆さんに、「こんにちは。みなさん、三浦春馬です。お会いできて光栄です。今日はよろしくお願いします。上海は今回2回目で、また戻ってこれて嬉しいです。」と、中国で流暢に挨拶。その流暢さに会場からは驚きの拍手があがりました。
上海は本作の撮影地でもあるため、三浦さんへのサプライズとして、三浦さんが演じた良(リョウ)が愛用していた思い出の電動バイクが登場。さらには、クランクイン直前まで三浦さんの中国語のセリフをサポートしていた、王(ワン)先生が登場。驚きと嬉しさとで照れた三浦さんを囲んで、会場は温かい雰囲気に包まれた記者会見となりました。
また、共演のリウ・シーシーさんとチャン・シャオチュアンさんも撮影で長く過ごした場所ということもあってか、今までよりもとてもリラックスした表情で、特に三浦さんとチャン・シャオチュアンさんは舞台挨拶中に笑い合うなど和気あいあいとしていました。

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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2014.12.22
トークイベント<国境を越える五分前>@早稲田映画まつり

早稲田の映画サークルに所属している学生によって運営されるオープンコンペ式の学生自主映画祭<早稲田映画まつり>にて本作の特別上映と行定監督&三浦春馬さんをお迎えしてトークイベントを実施しました!日中共同プロジェクトである本作のもと<国境を越える五分前>と題し、ボーダレスな環境での映画制作について、学生からのQ&A;を交えながら進行し、予定を大幅に越えて約1時間にも及ぶ白熱したトークイベントとなりました。

三浦春馬さん:

皆さんにすでに映画を見て頂いたとは思いますが、ゆっくりとした時間が流れている映画です。
常に自分が踏み入れていないフィールドやステージを目指してやっていたいという気持ちがあり、さらに行定監督と一緒に仕事ができる喜びもありましたね。また、台本を読んでみると明快なストーリーではなく、深層部を考えて繊細に描いていて、表現できることがあるんじゃないかなと思い、わくわくできました。そこを感じ取っていただいて、皆さんの中で広げていただけたら嬉しいです。
今回の撮影では、すべてが初めてのことばかりで、現場でも言葉が通じないスタッフやキャストがいる中で、僕のつたない中国語とたまに英語でお話していました。印象的な出来事は、撮影中にNGが出た際に監督がなぜNGを出したのかを助監督を通しても言ってくれなくて…自分で考えろというこのなのかと思い、自問自答をしていい方向にもっていけましたね。文化や言語が違う中で難しい面も多々ありましたが、最後は監督の「俺たちがやるしかないんだ!」というこの作品に対するすごい熱意に突き動かされて、僕もがむしゃらについていきました。

ついに来週公開になります。ゆっくりとした時間がながれている映画なので、忙しい日々から抜け出して、是非映画館で愛の形はどういう形があるのか、自分の中の愛について考えて頂ければと思います。

(最後に北京語で)
大家好(ダージャーハオ)深夜前的五分鐘(シンイエチェンダウーフェンツァン)請看(チンカン)請多関照(チンドゥオグァンジャオ)。『真夜中の五分前』を是非みてください。よろしくお願いします。

<学生からのQ&A>

Q:自分が中国語で演技する姿と日本語で演技する姿は違うと思いますか?

三浦:あまり感じなかったかもしれないです。言語は違いますが、キャスト陣と演技の根底の部分で同じ考えや感情を共有しているから芝居する上では全く問題なかったです。

Q:中国の印象はどうでしたか?

三浦:上海すごく好きになりました!色んな文化が交わっていて、昼間は柔らかい光に包まれ、夜は妖艶にみえる雰囲気が凄く好きでした。食べ物もすきでしたね。

Q:撮影中、日本語ではこう言いたいのに中国語ではうまく言えないのをどうのりこえましたか?

三浦:現場には上海出身の通訳さんが常についてくれましたが、彼女が感じる事と僕が思っていることが多少なりとも変わってくるのは多々ありましたね。ただ、そこで「もういい」と突き放すのはビジネスとしてダメだと思いましたし、色々と葛藤はありました。ぶつかった時もありましたが、言葉というすごくナイーブなところも全力でやってました。

行定監督:今日、この場で上映できたことを嬉しく思います。初めは、日本人の設定でシナリオを作ったので、もちろん日本で撮ろうと思っていたのですが、お金が集まらず…(笑)見て頂いてもわかると思いますが、今の日本映画のラブストーリーとこの映画は、スピードがちょっと違いますよね。世界中がスピーディーで明快な映画が求めているんですが、僕はそういう選択をしなかったんです。最終的に日本のプロデューサーと一緒に考えて、アジア映画にしようということになりました。ただ、その時に、ちょうど尖閣問題もあり…今の時代に中国と一緒に映画をつくるというのは危険が伴うなどとも言われていました。なので、上海のプロデューサーが断ってくると思っていたら、やりましょう!と言われ、世の中を知るすべに近づけたと思いましたね。実際に中国で撮影したら本当に大変でした。

(三浦さんに関して聞かれ)三浦春馬という人の日本人としての情緒が良という役を通して出ていけばいいなと思いました。ただ、映画のテンポがこんなにもゆっくりになったのは、三浦さんのせいですかね?(笑)
撮影中に春馬にどういう生活をしているのか聞いたら、「つまんない生活してますよ」と言っていて(笑)こんなカッコイイ顔しているのにね。
ただ、主人公の良の生活ってきっちり時計の針を刻む繰り返しの生活で、つまらないんです。なので、三浦春馬自身の実直さ、5分間ずらした生活にぴったりだなと思いました。
あと、役柄的には下手でいい中国語が物凄く上手くなっちゃって…どうしてくれるんだよ、と思いましたね(笑)通訳さんも「完ぺきです」と言っていました。
僕は、こういう映画があってもいいんじゃなかと思って作っています。ラブストーリーですが、ミステリーの要素もあり、ラストの判断は観客にゆだねている映画です。寒い冬の日に映画を観てもらい、コーヒーでも飲みながら語っていただける映画になっていますので、是非劇場でご覧ください。

出典:「真夜中の五分前」公式サイト

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