軌跡

―三浦春馬さん―

2013-12-11 働き方・学び方 ダイレクトメッセージ Vol.4

2013年12月11日 NIKKEI STYLEの配信
※配信元のサイトは閉鎖済です
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以下、配信記事より

働き方・学び方 ダイレクトメッセージ Vol.4
今僕ができる芝居、そしてこれから

永遠の0」の撮影では、いろんな経験から、キャリアを構築されてきた人たちと時間をともにしました。田中泯さんは踊り手さんですが、役者としてもいろいろな表現活動をされています。

橋爪(功)さんの演技を僕は本当に近い距離で見ていたのですが、僕がああいった演技をまねしたい、と思っても絶対にできないと思いました。
橋爪さんが演じる井崎も特攻でなくなったおじいちゃんのかつての仲間です。演技としてはベッドに座ってしゃべっているだけです。それであそこまで想像させてくれる芝居はやっぱりすごいと思いました。

長年の努力と経験があるからこそあのような芝居ができてくると思いました。僕があの方向で無理に追い求めていっても、答えが見つからないまま迷走するだけだろうなと思います。

映画でもそうですし、舞台に立っていても、先輩方は力が抜けていて決めるところは決める、ということができているんですね。けれど、僕なんかは若さのパワーにまかせてどんどん前にパワーを発していかないといけないのかもしれません。でないと「何おまえ抑えてるの?」といわれて、何も残せないまま、舞台から消えていくということになりかねないような気がするんです。

「次に立つ舞台では、力抜くところは抜いて、決めるところは決めて、というお客さんとのいい駆け引きができる俳優になっていきたい」と毎回思っているんですが、なかなか難しいですね。

僕は以前、ある監督に「おまえは瞬発力はあるけど持久力はないよな」といわれたことがあります。確かにそうなんです。瞬発力には自信があるんですが、持久力がない。長い時間になってくると、クオリティーが下がってきたり、うまくはまっていないといい表情を見せられなかったり。逆にはまったときはすごいいい顔するけど。

生のお客さんと作る舞台は、本当に勉強になります。舞台は一生懸命やっていれば周りの先輩達にいろんなことを教えてもらえるんです。

(舞台『ZIPANG PUNK~五右衛門ロック3』で競演した)古田(新太)さんに、「どうしたら力抜いてできますかね」と聞いたことがあります。「おまえの年代で力抜くこと覚えちゃったら化けものだよ、そんなこと気にしなくていいんだよ」といわれました。

僕も「ぶつけない」、ということは絶対嫌なので、気持ちの上で燃えていたい。燃えている様子を見て、人は感動すると思うから。燃えすぎちゃうと舞台は大変なんですけどね(笑い)。

海外に向けて

今、なんとなく年を重ねていって、自分の思い描いている俳優像にちょっとずつ色がつき始めている気がします。こうありたい、という自分。

今年9月に参加したヴェネチア国際映画祭で、海外からきた人々を受け入れている土地の姿勢に、とても感動しました。いろいろな監督にもお会いできました。

映画は簡単に国境を越えることができるので、僕もこれからいろんな景色を見たい。そのために言葉も勉強したいし、興味が出てきています。

プライベートのこと

すごく幸せな家庭とか、すてきな恋にも憧れます。ただ、僕は今長い間事務所にお世話になっていて、事務所にたくさんいいチャンスをいただいているので、期待にも応えたいと思う。

そのときの感情にもよりますが、はたして何が一番周りも納得できて、自分も納得できるのかな、と思います。周りの人たちが最近結婚していくから、そういうことも考えたりします。

ただ、子どもは欲しいです、2人(笑い)。

三浦春馬さんのダイレクトメッセージは今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

メイク:MIZUHO(vitamins)/スタイリスト:池田尚輝

出典:NIKKEI STYLE

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