軌跡

―三浦春馬さん―

2013-06-16 日曜日のヒーロー

2013年6月16日 日刊スポーツ(紙面)の配信
※2020年7月19日に復刻掲載にて配信 ※ブログ投稿日は、実際の紙面掲載日で設定

 

以下、配信記事より

特集「日曜日のヒーロー」

フジテレビ系ドラマ「ラスト・シンデレラ」(木曜午後10時)で演じているセクシーな肉食系男子がはまってみえる。

俳優三浦春馬(23)。意外にも、キャリアのスタートは子役にさかのぼるベテランだ。仕事ぶりは順風満帆に見えるが、かつては引退も考えるほどの挫折も味わった。演技に対するこだわりも強く、骨太な一面も持つ。画面から放つ「色気」だけに気を取られると、この人の本質は捉えきれない。

三浦が「ラスト-」で抜群の存在感を放っている。男の色気を前面に出した新境地の演技。シャワーシーンなどを集めたユーチューブの公式動画「お色気編」は投稿2週間で再生40万回を超えた。

三浦:年上の女性を魅了するものって何だろう? 世の女性は男性のどういうしぐさにくすぐられるのか? そう考え、世の男性のしぐさを注目して見るようになりましたね。街で彼女と歩いてる彼だとか、格好いいなと思う人のしぐさなんかを見続けて。自分的にも、今回の役はきっとロン毛だろうなと。ロン毛は人生で初めてですが、結構気にいってます。

研究の成果は数字に表れた。視聴率は7話まで右肩上がりで上昇。6日放送の第9話は15・9%を記録した。

三浦:反響はかなりいいんじゃないかなと。間違ってはいないと思ってます。

昨年はCM起用社数ランキングで男性6位(8社)。短期間で一気にブレークした印象もあるが、実は「芸歴」は長い。4歳で劇団に入り、7歳で子役デビューしている。

三浦:親とは「中学3年生ころには、地元の土浦の駅を歩けないくらいになっていたいね」と話してました。でも全然そんなことなくて高校入ったころも全然歩けていました(笑い)。知名度が上がっていったのは、「14才の母」「ごくせん」「恋空」くらいですかね。土浦の駅を歩いて、1、2年遅れでそういう風になってきたかなと。

子役デビューから16年。歌もダンスも卓越した実力を持っているが、こだわっているのは「演技」だ。

三浦:子役だった僕は、小学校で授業に出られなかったこともある。勉強も頑張って両立していたところもあった。そんな中で、よくぞ芝居を嫌いにならずにいてくれたと思う。楽しんで演技していてくれた自分がいたから、ここまでこれたんだろうと。そんな自分に感謝したいし、周りの人にも感謝したい。

16年で体感した俳優の魅力は「高揚」という。

三浦:演じていて本当に高揚する時間帯、瞬間ってあるんです。泣くシーンだったり、怒り狂うシーンだったり。そういう人間の沸点みたいなところを演じていて、バチっと決まると気持ちいいもんなんです、僕は。代償として、胃が痛くなったり、体がどっと疲れたりとか多々ありますけど。やっぱり役者はやめられないなと思います。

16歳で映画初主演。17歳で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。18歳で連続ドラマ初主演。19歳で2期続けて連ドラ主演を果たし、21歳で平成生まれ初の月9主演。順風過ぎる俳優人生に思えるが、挫折も味わい、転機もあったという。

三浦:挫折しそうになったのが「サムライ・ハイスクール」というドラマ。収録の拘束時間が長く、出ずっぱりで、ずっと現場にいなくてはいけなくて。全く自分の時間がない状況に疲れてしまったみたいで。スタッフもみんなそうなんですけど、当時の僕は経験したことがなかったので、自分の中でオーバーワークだったんです。

デビュー13年目で初めて経験した挫折とパニックだった。

三浦:19歳の時です。本当に失礼な話ですけど、逃げたかったんです、忙しさから。このドラマが終わったらやめよう。そんなこと考えてました。ドラマ自体を投げ出したいとは思わなかったですけど。そんなの無理じゃないですか。だから、このドラマを終わらしたらやめようと。

精神的に不安定な状態のまま、続けて主演ドラマ「ブラッディ・マンデイSeason2」の収録に入った。収録中、監督に言われた「頼むよ、座長」という言葉が自分を変えた。

三浦:セリフを全然覚えないで現場に行ったりして。そこで痛い目に1回遭った。僕のせいでワンシーン飛ばすことになった。また次の日に撮りますとなって、監督に「頼むよ、座長!」って言われたんですよ。今まで座長と言われたことなんてなかった。悔しくて、いろんな思いが込み上げてきて。1人で泣きました。それからどんどん自分の士気が上がった。何してたんだろうと思って。本当に真面目に取り組むようになりました。

20歳を前にして訪れた転機を経て俳優として人として一皮むけた。

三浦:その2作品はすごい気持ちの動きが広かったですね。20歳になってからは(気持ちが)落ちることはあまりなかったです。少し幅が出てきたのかなと思います。救いようのない悪役もやってみたい。映画「悪人」の妻夫木聡さんみたいな役が回ってくるのかもしれない。その日をすごく楽しみに待ってます。

目標の俳優を聞くと即答した。

三浦:小栗旬さんです。旬さんの仕事はすごく華があって、でも人間くさいものをやっていきたいというのがあって。いろんな葛藤と上手に付き合ってる時期と、爆発してる時期を見てると、役者ってこういうことなんだなと。同じ道を歩んでいかなくてはと思うと何かくぎ付けになる。いろんな面で足元にも及ばない感じもしてますけど、尊敬しています。

「意識」する俳優は、同じアミューズ所属の佐藤健(24)という。

三浦:毛並みは全然違うけど、どこかでお互い負けたくない、いい仕事がしたいと思っている。互いが目標でいられるような、「やっぱお前いいよね」と言える関係でいたいと。彼も少なからずそう思っていてくれていると思う。

一方で、岸谷五朗寺脇康文古田新太ら、多くの尊敬する先輩俳優から学ぶ姿勢も忘れない。昨年、古田が所属する「劇団☆新感線」の舞台に参加して新境地を開拓した。

三浦:自分の武器を存分に出してくれました。歌も踊りも殺陣も。箱の中でお客さんに喜んでもらえる、しかも自分で起こしたアクションで笑ってもらえるというのは、こんなに気持ち良かったんだなと。びっくりしました。

大好きな俳優の道を歩ませてくれた親との絆は固いようだ。

三浦:親には「ずっと素直で優しい子でいてね」と言われてます。それは守りたいとずっと思っている。たまに強気な態度をとったりしますけど(笑い)。

外見とは対照的な一面もある。今は「ぬか漬け」にはまっているという。

三浦:番組で作る機会がありまして。毎日ぬか床をかきまぜてます。はまってますね。おつうじも良くなるし、乳酸菌もいっぱい含まれてるんですよ。これ多分、続くと思いますね。

うれしそうにぬか漬けを語る一方で、役者として世界進出も見据える。

三浦:日本でいい作品を残していくことも重要ですけど、どんどん海外の作品にも出ていって世界を経験したい。真田広之さんやオダギリジョーさんのように僕も力を入れていきたいと思っています。

最後に女性について聞いた。好みの女性は?

三浦:ふっふっ。黒髪ロングです。あと料理ができたらいいっすね。胃袋つかんでほしいです。それと、あんまりカッカしないでほしいですね。

勢いに紛れ、突っ込んで聞いてみた。意図を察知してか、三浦は一瞬にやりと笑い、こう答えた。

三浦:いや~、「ラスト・シンデレラ」で共演している篠原涼子さんみたいな方ですよ。本当にすてきな女優さんでもあるし、家庭の話とか聞いてても、1人の女性として素晴らしい!

出典:日刊スポーツ

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