軌跡

―三浦春馬さん―

2012-10-25「五右衛門ロックⅢ」製作発表会見

2012年10月25日 観劇予報の配信

※ブログ投稿日は、実際の配信日で設定

 

以下、配信記事より

古田・五右衛門、最後の大暴れ?! 『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』製作発表

天下の大泥棒・石川五右衛門が、爆音のなか縦横無尽に暴れまくる、劇団☆新感線の人気シリーズ『五右衛門ロック』。
その待望の第3弾にして完結編の『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』が、12月19日から東京・シアターオーブを皮切りに、「2012年越冬興行」として上演されることが決まった(東京公演は1月27日まで、大阪公演は2月6日~28日)。

シアターオーブと大阪・オリックス劇場は、いずれも本公演がこけら落とし。「釜茹上等!盗んでゴー!浜の真砂の尽きるまで!!」のフレーズのように、五右衛門が大活躍するエネルギッシュな舞台は、劇場にとっても新感線にとっても、幸先のいいスタートとなりそうだ。

第1弾の『五右衛門ロック』では南海の果ての孤島タタラ島、第2弾の『薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive』ではイベリア半島が舞台だった。
第3弾でようやく日本に凱旋。戦国時代の日本を背景に、空海が開いた津雲寺の黄金目玉像を五右衛門が盗んだことが発端となって、物語はやがて、空海が隠したという大量の黄金をめぐる展開に……。
腹に一物、ひと癖もふた癖もある登場人物たちが入り乱れて、大騒動を巻き起こしていく。前2作に続き、脚本を中島かずき、演出をいのうえひでのり、作詞を森雪之丞が担当。“音モノ”の名のとおり、生演奏の音楽・歌あり、殺陣あり、笑いあり、これぞ新感線の痛快エンターテインメントだ。

今回のキャストは、五右衛門はもちろん古田新太。対する探偵方・明智心九郎の三浦春馬、女盗賊お銀の蒼井優豊臣秀吉麿赤兒、堺の商人・蜂ヶ谷善兵衛の村井國夫の4人は、新感線へは初参加となる。ほかに、シリーズ前作『薔薇とサムライ』に続きシャルル・ド・ボスコーニュは浦井健治が、8年ぶりとなる高橋由美子は尼僧・春来尼を演じる。もちろん、前田慶次郎橋本じゅん、石田光成の粟根まこと、マローネの高田聖子など、新感線のメンバーもほぼフルキャストで出演。いずれも強烈な個性を放つ超豪華メンバーがズラリと並ぶ。

製作発表には、いのうえひでのり中島かずき森雪之丞古田新太三浦春馬蒼井優が出席。本作のテーマ曲が流れるなか登壇し、挨拶と質疑応答が行われた。

【挨拶と質疑応答】

中島 第3弾ですが、この一本で見ていただいても充分楽しめます。今回は基本に返って、名探偵と怪盗が戦って丁々発止のやり取りをする。また、暗号とか、僕が子供の時に見てた江戸川乱歩とかの世界を試みたら面白いんじゃないかと考えました。非常に豪華なキャストに恵まれて、お正月興行らしい派手な舞台になると思いますので、期待していただきたいです。

――ほとんど当て書きだそうですが、初参加の三浦さんと蒼井さんには?

中島 古田君が説明ぜりふが嫌いなので、三浦君が名探偵としてなんでも説明してしまうぞ、という設定です。蒼井さんは、おきゃんというと古いですが、すごいちゃきちゃきとした、女鼠小僧みたいなイメージでやりたいなと思って、書いてみました。

いのうえ 新感線らしい魅力の出せるシリーズになってますので、年末年始にかけて、お祭り感を出して盛り上げたいなと。今回は、これまでに比べてミステリータッチのところもありますが、それはあくまでもダシで、いつもどおりチャンバラあり、ネタあり、踊りあり、いろいろ盛りだくさんでお贈りしたいです。とりあえず元気が一番なんで、無事に2月の大阪公演が終わるまで、みんな健康でがんばっていきたいと思います。

――今回公演するのは初めての劇場ですが、印象はどうですか?

いのうえ 意外とコンパクトだなと。2,000人のミュージカル劇場というので、帝劇みたいなグランド感を想像してましたが、客席から(舞台が)すごく近くて、見やすいと思います。

 『五右衛門ロック』は3作目ですが、とにかく作詞をしていて楽しくてしょうがないです。とくに今回初めて五右衛門が日本に帰ってくるので、ディスカバー・ジャパン的な、“旅がらすのお仙”みたいな曲があると同時に、前作で出てきたキャストも出てくるので、シャンソンがあったり、また『ZIPANG PUNK』ですから、そういうパンクの要素も入って、ディスカバー・ジャパンでありながらアラウンド・ザ・ワールド。今回22曲ありますが、気持ちとしては100曲ぐらい書きたいと思ってますので、まだ22曲も書き終えてませんが、がんばります(笑)。

――顔合わせと本読みの時に少し音がかかってましたが、いかがですか?

 どこが『ZIPANG PUNK』かというと、まずテーマらしいパンクがいっぱい入っている。それと、世界も日本もごちゃまぜにして活躍するところが、非常にパンキッシュだと思います。

古田 説明ぜりふが嫌いな古田新太です。説明ぜりふだけではなく、チャンバラも歌も踊りもあまり好きではありません。年末年始の一番お酒が飲める時に、こういうお芝居で、非常に残念な気持ちでいっぱいです。やけくそでがんばります(笑)。

――今回は泥棒と探偵で三浦さんと絡むシーンも多いですが、どのような印象ですか?

古田 彼はものすごく動けるし、歌も歌うし、僕のかわりに戦って歌っていただきたいなと。僕は、うしろで立ってるんで(笑)。そこは信頼してます。

――蒼井さんとは何度かご一緒されてますが、どんな女優さんですか?

古田 テレビドラマや映画では“癒し系”を醸し出してますが、本人はガラッパチなんで、ものすごく普段の蒼井さんに近い蒼井さんをお届けできるんじゃないかと思います。

三浦 憧れていた劇団☆新感線にこんなに早く登場でき、すごくうれしい気持ちでいっぱいです。僕はほんとに演劇界ではひよっこなので、素晴らしい先輩方の胸を借り、どこまで自分のスキルを伸ばせるか、役を突き詰められるか、とても楽しみです。全力でがんばっていきたいと思います。

――三浦さんは、新感線作品はいくつかご覧になってますか?

三浦 『薔薇とサムライ』は劇場で、『五右衛門ロック』は劇場に行けなかったのでDVDで拝見しましたが、強烈なパワーを感じています。(本読みも)すごく緊張してカミカミで(笑)。1作目と2作目のキャラクターが登場するので、ほんとに高揚して、お客さんもとても楽しんでいただけると思います。

蒼井 歌があるのでとても緊張していますが、どうにか初日までに間に合わせたいなと思います。

――蒼井さんの新感線のイメージは?

蒼井 全力でふざける劇団というイメージがあって、それをお客様と楽しめる。他の劇団では味わえない高揚感を味わわせていただけるというイメージがあります。まさか自分が参加させていただけるなんて想像もしていなかったので、お話をいただいた時はほんとにビックリしました。新感線ファンの皆様にも、今まで以上に楽しんでいただける作品になればいいなと思っています。

――本読みでは音楽に合わせてリズムをとられてましたが、楽しかったですか?

蒼井 歌が苦手で、リズム感がないので、どうにか養おうと思って…(笑)。

――三浦さんは、地球ゴージャスの舞台では歌も踊りもされましたが、新感線の独特な振付や殺陣はどうですか?

三浦 とくに殺陣は、踊るような、とてもきれいな殺陣なので、それを自分が果たしていいものにしていけるかが不安でした。事前に「ちょっと練習したほうがいいですよね?」と聞いたら、「ちゃんと現場で教えるから、心配しなくていいよ」と優しい言葉をかけていただきました。必死にやるだけです。

――このお2人と村井さんとは初顔合わせですが、今日の本読みを聞かれていかがですか?

いのうえ 大丈夫だとは思ってましたが、ほっとしたというか、全然いけます。このままお見せできるんじゃないかってくらい、悠々しゃくしゃくです(笑)。

――お2人をキャスティングした理由は?

いのうえ 春馬君は、近しい人からすごく動けるって話を聞いていたし、新感線の芝居のアンケートで、彼にゲストで出てほしいというのがすごく多かった。僕も地球ゴージャスを見て、うちの舞台にも合うのでぜひ出ていただきたいと思いました。蒼井さんは、NODA・MAPとかですごく溌剌としていて、存在がキラキラした女優さんなので、アカデミックな方向に行く前に、ぜひ新感線の下衆な芝居に出ていただこうと(笑)。

蒼井 今回のお話をいただいてから、しばらく文学作品が多かったですが、いのうえさんに「うちのは祭りだと思ってもらっていいから」と言ってもらったので、そこをずっと楽しみに、今は真面目にお芝居をやろうと…(笑)。デザートがあるって感じでした。

――古田さんは、中心でお話を回していく役ですが。

古田 回すのは春馬です。僕はその後ろでソロソロっと。本読みをしながら(三浦が)どんどん調子に乗っていくんで、これは面白そうだぞと(笑)。みんな、何の心配もしてません。

――五右衛門は、ハデにパンクに、きっと動きもたくさんあるんじゃないですか。

古田 そうなんですよ。鬘も衣裳も重いんです。動きが鈍くなったとか言われますが、一回着てみろって感じです(笑)。50前の役者にあんな格好させてどうすんだっていう。まあ、がんばります。

――今回でひと区切りとは考えてますか?

中島 そうですね。これはもう書くことはないなと、しみじみ思いましたので、一応完結編で。まあ、いったん打ち止めになるのかな。でも、ラストといって次の年に映画がやるのもあるし、『轟天』のように宮藤官九郎に書いてもらうみたいなこともあるかもしれないし、わからないですね(笑)。

【取材・文・撮影/塩田史子】

 

出典:観劇予報

 

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