軌跡

―三浦春馬さん―

2011-11-01「海盗セブン」インタビュー

2011年11月1日 e+Theatrix!の配信
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以下、配信記事より

地球ゴージャス2012年新作公演『海盗セブン』出演の三浦春馬にインタビュー!

岸谷五朗寺脇康文による演劇ユニット、地球ゴージャスの最新作、ダイワハウスSpecial地球ゴージャスプロデュース公演vol.12『海盗セブン』の上演が決定。今回も大地真央森公美子小野武彦ら実力派の演劇人が客演として名を連ねる中、2009年の『星の大地に降る涙』で舞台デビューを飾った三浦春馬もまた、再び地球ゴージャスへ参加することが発表された。2度目となる舞台出演へのトライを前にした、その高鳴る胸中とは──。

初舞台は“常に最高のモノを見せたい”という一心で演じていました。

――2度目の舞台出演が決まった今のお気持ちは?

舞台はまたやりたいと願ってましたけど、2度目が地球ゴージャスだったっていうのはビックリしました。もちろんうれしかったですよ。ただ前回はホントにみなさんに担いで頂き支えてもらった部分が大きくて…でも今回はマネージャーさんのほうから(岸谷)五朗さんに「春馬をズタボロにしてください」って伝言が入っているようで(笑)。まぁ、それも楽しみですけどね。傷だらけになりつつも自分のレベルを上げていけるだろうなって期待感もすごくあるので。

――前回の初舞台の経験を振り返ってみると、ご自身にはどんなモノが残りましたか?

「ミュージカル、自分は好きなんだなぁ」って。僕は昔からダンスや歌や芝居をやって来たので、芝居だけのお仕事のときに「なんで芝居だけなんだろう…」って、それがちょっと嫌だなと思ってしまう時期もあったんですね。でもこうして舞台を経験してみると、芝居だけをやってきたことも間違いじゃなかったなぁって。そこがあって、今がある。体を動かすことは快感だし、歌もね、ヘタじゃないでしょ?(笑) それを全部舞台上でやれて、「あ、俺ってできるんだ!」ということがちゃんと確認できたのは大きかったです。
 
また、カンパニー内で出来上がっていく絆だったり向上心だったり、そういうのを全部含めてお客さんに出会ったときのあの“景色”っていうのはもう…悦びでしかないですよね。そういう状況を作ってくれる“舞台”というものはやっぱりすごい。  これは失格なことなんですけど、前回は本番で2回も剣を落としてしまった日があって…それまではそんなこと一度もなかったのに。それでもう本当に悔しくて悔しくて、カーテンコールで号泣してしまったんです。許せなかったんでしょうね、自分が。常に最高のモノをみせたかったから。でも、そういう“自分を許せない自分”がいるんだってことも、舞台を通じて知ることができた。発見ばかりの初舞台でした。

――毎回最高のモノを見せる。もちろん誰もがそういう思いで板の上に立っているんだと思いますが、実際に成し遂げるには相当な集中力や精神力の持続が必要です。

僕は自分を瞬発力の人だと思っていて、普段もカメラが回っていないときや本番じゃないときっていうのは普通に、というか、もうひたすらダラ~~ッとしていたんです(笑)。張りつめるようなことはないですね。それに、どうやら何回も同じ芝居をすることが好きらしくて。何回も同じことをやるのが快感なんですよ。同じことをやるにあたって、いかに毎回自分を高めていけるかっていうトライが楽しかった。ホントは試したりせず一発でそれができればいいんだけど、もっと声を出すにはどうしたらいいだろう、もっと見せるには…って、いろいろ試しながら演じてました。

三浦春馬、ミュージカル界にいてもいいよね”っていうところを植え付けられたら──

――そして2度目の挑戦。今回はどんな作品になりそうですか?

とりあえず自分自身の役のことでいうと、“クールで天才肌な海盗”らしいです。そこから先は…まだ秘密!

――共演者の方々も豪華ですね。

みなさんからは学ぶことばっかり、盗むことばっかり!稽古場では終始“海盗”としてあらゆることを盗み(笑)、しっかり自分のスキルも磨いていきたいです。

――岸谷さんとは何かお話しましたか?

はい。前回は褒めて褒めて伸ばしてもらいましたけど、今回はたぶん檄が飛んでくると思います。前回「舞台上で自分を解き放つってことに一生懸命になってもらうのはもちろんだけど、舞台には自分が輝く時間帯と気配を消す時間帯とがあるからな」と言われて。「春馬はまだそこまでいけてないかな」と。それは自分自身も本番に入ってからどんどんわかってきたんですが、「頑張ってる俺を観てくれ」だけじゃなく、物語全体をしっかり伝えていくためにやらなければいけないこと、気をつけなくちゃいけないことがたくさんある。今回はさらにそういうところをもっと丁寧に、きちんと気を配りながらやりたいですね。

――では、楽しみにしていることは?

エンターテインメントの素晴らしさ!終わったあと、みんなが拍手をしてくれて、笑顔で、中には泣いている顔の人たちもいて…そういう姿を目の前にすると、やっぱりこっちも笑顔にならずにはいられないというか。お客さんのありがたみを大切に受け止めていきたいです。
 
僕はまだまだ経験不足なのでその素晴らしさのすべてを上手く語ることができないんですけど、ゴージャスは本当に大好き。芝居、歌、ダンスとあらゆるジャンルのトップクラスの方が揃っていますし、その中でもまだ自分にできないところを埋めようと、稽古後もそれぞれが自主練に打ち込んでいたりして。やっぱり人が一生懸命な姿って見ていてとても美しいと思うし、僕も負けたくないって思います。ダンス、タップ、アクロバット…なにが来ても「できます」と言えるように自分の引き出しを増やしていく。今はそういう準備の時間をしっかりと過ごしています。
 
自然と舞台を観に行く機会も増えてますね。ミュージカルからストレートプレイから、最近はホントにいろいろと素敵な作品にめぐりあうことができてます。「自分だったらどうするかな?」と、重ねて観ることもありますし…“高揚する”ことってすごく大切で、そういう場を求めて自分自身も劇場に足を運んでいるのかもしれません。

――次はその高揚を渡す側です。

役柄的にも前回とはまた違った僕をお見せできると思いますし、おそらくアクションもあると思いますが、できたら…上手な方たくさん出てますけど(笑)、今回はたくさん歌を歌いたいなっていうのが希望。稽古はこれからですが、カンパニーが一丸となって、本番では鳥肌が立つようなパフォーマンスをお届けできると思います。

――三浦さん自身もさらに舞台熱が高まりそうですね。

ありがたいことに前回褒めて下さった方が多かったので、今回はさらに「三浦春馬、ミュージカル界にいてもいいよね」っていうところをみなさんの心にしっかりと植えつけることができたら大成功。さらに、「早く帰って来てね」って思ってもらえたら…最高に嬉しいです!

 

〔取材・文/横澤由香〕
〔インタビュー写真/坂野則幸〕

出典:e+Theatrix!

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