軌跡

―三浦春馬さん―

2010-10-01「君に届け」インタビュー

2010年10月01日 楽天エンタメナビの配信
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以下、配信記事より

三浦春馬インタビュー
心優しき主人公・風早翔太を演じた20歳の横顔

第32回講談社漫画賞少女部門を受賞した椎名軽穂の「君に届け」(集英社別冊マーガレット連載)。小説やテレビアニメにもなった累計発行部数1400万部を超える人気コミック待望の映画化で、心優しき主人公・風早翔太を演じた三浦春馬さん、その20歳の横顔に迫る。

vol.1
僕にとっても風早翔太はまぶしい存在

原作は1400万部を突破した大人気コミック。そして、三浦春馬さんが演じる風早翔太は恋人にしたい漫画のキャラクターNo.1にも選ばれている。

「原作が、とても人気があるコミックだと以前に何となく耳にしたことはあったけれど、実際に読んだことはなかったので、映画化が決まり、じっくり読んでみました。そしたら、登場人物もストーリーも魅力的で、どんどん読みふけってしまった(笑)。でも、実際の僕と風早翔太のキャラクターは、ちょっと違うかもしれません。僕は、風早のように肝試し大会を企画したり、スポーツ大会の委員をしたりするほど、あんなにクラスの中心的存在じゃなかったんですよ。それに、風早のように好きな子がこまっているときに、僕だったらあんなにハッとするようなことを、絶妙なタイミングで言ってあげられないかも(笑)。男としては、青山ハルくんが演じた真田龍はカッコいい奴だと思いました。幼なじみの吉田千鶴(蓮佛美沙子)の気持ちを察して、『あいつはいつもへこむとここに来るから』と余計なことは言わずに、河原で肉まんとあんまんを2つ用意して待っているシーンとかは、龍の男らしい優しさがストレートに表れていますね」

風早にとっての黒沼爽子(さわこ)の存在は、三浦さんの目にはどう映ったのだろうか。

「黒沼爽子という女の子は、小学校以来ずっとクラスメートから、映画の『リング』が由来のあだ名で『貞子』と呼ばれていて、『3秒貞子と目を合わせたら祟られる』とクラスのみんなに怖がられていたりする。でも、決して嫌われているわけではないんですよ。周りに気を遣いすぎちゃって、自分の思いを伝えるのが苦手なだけ。本当の爽子は人の役に立ちたいと必死で、とても一途で芯のしっかりした女の子ですね。他のクラスメートが嫌がるような掃除やゴミ捨てなんかも進んでやっているけど、人によく思われたいから、ほめられたいからやる、みたいな打算はまったくない。原作を読んだ時から、いい子だなって思っていました」

そのヒロイン・爽子役には、映画「夜のピクニック」、連続テレビ小説「つばさ」の多部未華子さん。

「多部さんとは初共演なので、現場の楽しくてほんわかした雰囲気が作品にも反映されるように、撮影当初から積極的にコミュニケーションを取っていきました。撮影の合間にお互いに好きな映画の話をしたりしましたよ。多部さんは映画に詳しいんです、特に洋画が。僕も最近は洋画も見ますが、もともとは邦画が好きで洋画にはそこまで詳しくなかったので、多部さんの洋画の話はとても面白かった。あと、撮影のときは、僕の演技をいつも褒めてくれました。ちょっと恥ずかしかった(笑)」

風早翔太を演じるにあたって、事前の準備や役作り、撮影中の苦労はあったのだろうか。

「風早役について、人気のあるキャラクターなんでプレッシャーはあったけど、大きな苦労はしなかったかも。 僕は20歳になりましたが、高校時代が遠い昔の感じが全くしなくて、つい1年前まで高校生でしたからね。 すんなりと制服も着られましたし(笑)。スケジュール的にも、他の撮影に比べて少し余裕があったので、 撮影がハードで深夜までかかって睡眠不足になるなんてこともなく、たいていスムーズに夕方くらいには 撮影が終了して、共演者の方やスタッフと飲みに行ったりして、撮影の後の楽しさを満喫しました(笑)」

vol.2
監督には、ドキドキ、緊張した演技をと言われました。

撮影は今年の4月末から6月初旬まで栃木県・足利市で行われた。

「撮影の合間に男子でバスケットボールやサッカーをやったりしていました。本当に学校みたいで楽しかった。映画自体は春から冬にわたってのストーリーなので、クリスマスや大みそか、真冬のシーンの撮影もありましたが、スムーズに進みました。あと、ロケ地で食べた足利そばが、とてもおいしかったですね(笑)。もともとそばが大好物というほどではなかったけれど、足利で食べたそばはおいしかった。撮影が夕方からの日などは、よく食べていました」

撮影で思い出に残っているシーンは?

「風早と爽子の二人が入学式の登校時に、初めて出会うシーンでのことでした。爽子の髪に舞い落ちた桜の花びらを僕が手に取って、そのハート形の花びらを爽子の両手のひらにのせるのですが、撮影の日が少し暑かったせいか、多部さんの手のひらの熱で桜の花びらがすぐにクルリと丸まってしまって(笑)。手のひらの上にある、花びらのアップの映像がなかなかスムーズに撮影ができなくて、何度も撮影し直しました」

熊澤尚人監督は、「三浦君は控えめでシャイで、すがすがしい男らしさを持った俳優」と語る。実際の撮影ではどんな注文があったのだろうか。

「監督からは、爽子と一緒のシーンは、常にもっとドキドキして、もっと緊張して、など言われました。風早にとっても爽子にとっても初恋ですしね。コミック同様の、二人のもどかしい、ドキドキした空気感を、スクリーンから感じ取ってもらえたら嬉しいです。監督に、演技に関して厳しく言われたことなどは特になかったかも。自由に楽しく風早を演じさせて頂きました」

風早や爽太の学校生活は、初々しい春の入学から、夏の肝だめし、テストや体育祭など、季節のうつろいと共に、さまざまな出来事が展開してゆく。実際の三浦さんの高校生活はどんな様子だったのだろうか。

「風早たちが通う高校は、朝、教室に入ってきたらみんなに向かって大きな声で『オハヨー!』って声をかけるみたいな、元気が良い感じだったけど、通っていた高校は、あそこまでテンションは高くなかったかも。
あと、映画では体育祭のシーンがありますが、僕の高校時代で思い出に残っている行事は文化祭かな。たこ焼きをえびせんべいにはさんだ『たこせん』を作って模擬店で売りました。『たこせん』は、よく売れましたよ(笑)。 ARATAさんが演じた、担任の荒井先生みたいなちょっと空回り気味!?の熱血先生はいなかったけれど、荒井先生のもうひとつの良さである、生徒想いの先生は僕の学校にもいましたね。その先生とは今でも連絡取り合っています。 僕のテレビや映画を見ると必ずメールをくれます。この『君に届け』を見た感想も、きいてみたいです」

vol.3
好きな人に想いを届ける大切さ――。
素敵な秋が過ごせる誰もが、優しくなれて心温まる映画です。

実際に出来あがった映画を見た感想は?

「実はまだ、1回しか見ていないんです。でも、自分が想像していた以上に、とてもキレイで素敵な作品になっていました。きっとそれは編集が良かったからだと思います。
実は、演技でない、素の三浦春馬が出ているシーンが1つあるんですよ。ちょっと長回しのシーンだったので、演技をしているうちに、いつのまにか素の自分になってしまったみたいで。 どのシーンかって?
それはヒミツです(笑)。ぜひ映画を見て探してみてください」

切なくも温かいシーン満載の『君に届け』。三浦春馬さんの好きなシーンは?

「爽子が変な噂を流されて、せっかく親しくなった千鶴や矢野あやね(夏菜)たちとの友人関係でうまくいかなくなって、校庭で泣きながら石ころを蹴ることしかできず、思わず座り込んでしまう。
そんな爽子のもとにサッカーボールが転がってきて――。このシーンは、特にお気に入りです。僕の演技も是非、スクリーンでチェックしてください(笑)
ほかにも、好きな人に対してとびっきりの笑顔をみせたり、もんもんとした複雑な感情を持ってみたりと、誰かを想うさまざまな心情がギューっと詰まっているので、すべてのシーンがオススメなのかも(笑)」

三浦春馬、20歳。その芸歴は長い。今や、ドラマや映画に引っ張りだこの彼が、これから挑戦してみたいこととは?

「これから挑戦見たいこと、それは声優です。実はまだ、一度も経験したことがないので是非やってみたいですね。新しい自分を見つけてみたい」

これから『君に届け』を見る人へのメッセージを。

「この映画はお子さんから年配の人まで、誰もが楽しめる映画です。とてもたくさんの思いやりがつまっています。これから高校生活を送る人も、ずっと前に高校生活を送った人も、これからの日々にときめいたり、あの頃を思い出したり、想いを届ける大切さを改めて感じたりと、とにかく幸せになれる映画です。人に対して思いやりの気持ちが持てるこの映画を見て、素敵な秋を過ごしてほしい。
映画を作った僕らの想いが皆さんの元に“届く”といいです」

新たな進化をとげ、これからの活躍が楽しみな三浦春馬さんから、ますます目が離せなくなりそうだ。<終>

 

(文/小張アキコ 写真/佐藤光)

出典:楽天エンタメナビ

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