軌跡

―三浦春馬さん―

2008-01-24「奈緒子」インタビュー

2008年1月24日 映画ナビ最新ニュースの配信
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奈緒子』 三浦春馬 インタビュー
金髪から黒髪へ――注目の三浦春馬が走りに走った映画『奈緒子』を語る

子役からスタートし、このところTV、映画と話題作ヒット作への出演が続く三浦春馬。17歳とは思えない幅広い演技力で様々な顔を見せてくれる驚異の若手が、上野樹里共演の2月公開の新作『奈緒子』で演じているのは、天才ランナーとして注目されていた短距離から亡き父と同じ駅伝選手に転向する高校1年生。監督は『まぶだち』『ロボコン』『さよならみどりちゃん』と、若い世代の人間模様を嘘偽りなく描く青春映画を取り続けてきた古厩智之。『恋空』の金髪イケメン少年から一転、ひたむきに走る少年を好演した若手俳優に話を聞いた。

――ほんとうによく走りましたね

「アハハ、はい、ありがとうございます」

――セリフではなく走ることで展開してゆく物語ですね。古厩監督からは最初どんなことをリクエストされましたか?

「そんなに多くのことはリクエストされませんでした。でも、無邪気で走ることがひたすら好きというのを忘れずにとも言ってないんですけど、そういう雄介でっていうことは言っていたと思います」

――雄介くんは何を考えているのかよくわからない感じですが、走っている姿が彼の心そのもののように思えました。三浦さん、走るのはもともと好きでしたか?

「…嫌いではないですね」

――スポーツは何を?

「サッカーです」

――サッカーはチームプレイですよね。雄介くんの場合、駅伝を始める前は短距離の選手で、完全に個人の勝負ですが、チームでやるものと個人でやるものの違いってありますか?

「僕は陸上部に入っていたわけじゃないですが、でも、映画を通して、他の部員の人たちと駅伝を走って、その撮影の中でみんなと合宿みたいな生活をしていて、2人部屋とか3人部屋でずっといて、練習のときもみんな一緒で励まし合ったりだとか、こいつには負けないとか、走りでは負けたくないというか、どうしてもライバル心というか、闘争心が、多分みんなもあったと思うんですが、そういうものがあり、でも、そういうものがあったからこそ、最後まで負けたくないっていうのがあって、最後まで走り切れたんだと思います」

――まさに映画の中のチームの、競い合いながらも助け合ってたすきを繋いで行くというのと重なるような撮影だったんですね

「そうですね」

――ロケ撮影が多かったと思いますが、長崎市壱岐島に行かれたんですよね。そういう離れた場所で映画漬けというのは大変でしたか?

「いや、大変ではなかったです、ぜんぜん。走るのは大変でしたけど、スケジュール的にも余裕をもってできていたんじゃないでしょうか」

――今年の夏ですよね。この前が『恋空』ですか?

「そうです」

――では、金髪を抜いて

「金髪を黒に染めて」

――髪の色が違うだけでずいぶん顔の感じが変わりますね。それにしても『恋空』ヒットしてますね。今後も『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』も公開になりますし、ここ一年ぐらいずっと撮影していたんじゃないですか?

「おかげさまで2007年は3本映画に出させていただいて充実した楽しい年を過ごしています」

――その最後の一本がずっと走らされるキツイ作品だったわけですが、チームメイトを演じた人たちも含めて、みなさん、逞しいというか、ちゃんと陸上選手の身体つきになっていてすごいなと思いました

「やっぱり最初と比べて、みんな身体つきが変わってきました。僕も自分では気付いてなかったんですが、監督に春馬の脚がランナーっぽくなってきたって、中盤頃から言われはじめました」

――撮影終了後は走ってないんですか?

「はい」

――ランナーって走る姿が美しいなと普段から思うんですが、三浦さんたち俳優さんもすごくきれいな走りっぷりでしたね。上野樹里さん演じるヒロインの奈緒子との幼い頃からの確執も、走ることで表現されているんですね。そこが素晴らしいと思いましたが、セリフよりも、かすかな仕草や一緒に走ることで表現するのは難しいと思いませんでしたか? たとえば、奈緒子がいきなり給水ポイントに現れるシーンとか。

「あんまり意識していなかったですね。もともと古厩監督は、お芝居を、こうでこうでこうでって決めつける監督じゃなくて、自由にやらせてくれるんです。違うなって思ったとしても、それは違うって言わないんです。こうしてほしいなっていう感じなんです。だから、あのシーンも自分で思ったとおりにやったんですけど、あまり意識はしてないです」

――それがよかったのかもしれないですね。流れというか。自然でした。それから、2人で走ってフェリーを見に行くシーンもいいですね。ちょっと気になったんですが、ああいう給水って実際の駅伝ではないそうですが、全力疾走していて、あんな風にペットボトルを掴むのって可能なんですか?

「取れないと思います。映画の中では、小さいじゃないですか。あのシーンは取らなくていいんですけど、実際に難しいと思います」

――そうですよね。ところで、雄介くんは、彼にとって走るというのはなんなのかを考えながら、答えを出せないまま走っていると思うんですが、彼にとって走ることってなんだと思いますか?

「うーん、僕もはっきりわかんないです。わかんないままやってたんですけど、でも、雄介にとって走りって、ずっと小さい頃から当たり前のようにやっていることで、ただ、それはお父さんの背中を追いかけていて、お父さんと一緒に走るのが好きで。お父さんがいなくなったあとも続けたことだし、お父さんが大好きだったということもあると思うし。ずっと当たり前のように走っていたと思うんですね。だから、きっと走んなくなっちゃうと、不安になっちゃうんじゃないかなと思いましたし、実際、僕もお芝居を小さい頃から続けているので、急にこういう仕事を辞めてしまうと不安になっちゃったりすると思うんで、そういうのと一緒なんじゃないかな。唯一、雄介と僕の共通点はそこですね」

――雄介くんにとって走ることは当たり前のこと

「当たり前というか、なくてはならないもの。好きだから続けているもの」

――彼の核となっているのが走ることなんですね。三浦さんにとってのお芝居も同じなんですね。ずっとやってらっしゃるんですよね、小さい頃から。

「はい、気づいたら(笑)」

――いやになっちゃったりしないんですか?

「いや、しないと思います」

――雄介くんも天才ランナーとして注目を集めていて、駅伝仲間から嫉妬されたりもしますが、そういう、ちょっと他人より抜きん出た存在というのは、三浦さんご自身も俳優として今注目されていますから、よくわかるんじゃないですか? 注目されて期待されたら、それに応えようみたいな気持ちはあります?

「期待されたら、それに応えようですか、多少考えると思いますけど、でも、マイペースなんで、そんなに。楽しくできていればいいかなって思っているんで」

――そういう風に自然な感じでやっているのが三浦さんの魅力かなとも思います。けっこう、色んなタイプの役をやってますよね

「今年は、そうですね」

――全部違う顔ですもんね、10代でそういう風に色々できるってあまりないんじゃないですか?

「そうですね。いろいろやらせてもらえるのは嬉しいです」

――では次に共演者の方についても聞かせてください。まず、上野樹里さんは?

「撮影前は仲良くなれるかなぁって思っていて、でも、上野さんの方から話しかけてくれたんで、わりとすぐに仲良くなれました。すごいお芝居のことに関して熱心というか、かなり追求する方ですね」

――陸上部顧問の西浦監督役の笑福亭鶴瓶師匠は?

「大御所なのにぜんぜんそういう感じじゃなくて、すごく優しくて、現場の雰囲気を盛り上げようと、柔らかい雰囲気をつくってくれました。鶴瓶さんがいる現場すごく楽しかったです」

――ひとり関西弁でしょ、それなのに違和感がないというのはすごいと思ったんですが

「ああ、そうですよね」

――演じた雄介くんは駅伝でたすきを繋ぎゴールを目指しますが、俳優・三浦春馬が今目指すものはなんですか?

「僕が目指しているものは、特にないんです。ただ、お芝居がこれから先も楽しめて、いい作品に出会えればいいんじゃないかなって思ってます」

――では、最後に『奈緒子』のPRをお願いします

「『奈緒子』っていう映画は撮影に入る1ヶ月くらい前から、みんなで一生懸命基礎体力づくりから走ることまで練習して入った映画です。だから走りはほんとうに嘘をついていない映画になったと思います。自分自身が今がんばっていることや、夢だったりとか、そういうものと重ねて観ていただけたら、それぞれ違う観方ができるんじゃないかなと思います。ぜひ観てください」

出典:映画ナビ最新ニュース

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